ペット無双の小劇場
滝神淡
1/22 『24時間じゃあ測れない』
☆★☆★
マキンリア:赤茶髪の快活な少女。元気いっぱい。食いしん坊。あだ名は『マッキー』。
チーちゃん:チワワ。上半分は黒い体毛で下半分はベージュ色の体毛。勝ち気な女の子。
プーミン:シンガプーラ。セピア色の短毛。甘えん坊の女の子。
セリーナ:ボルゾイ。純白の体毛。頼れるお姉さん。
セーネルの街:中世ヨーロッパ風の石造りの街。近辺に幾つかの狩場を抱え、そこで稼ごうとする冒険者で溢れている。狩りの帰りに冒険者達が飲食店を求めるので、街には飲食店がいっぱい。食べ歩きには困らない。
☆★☆★
冒険から帰ってきた春太とマキンリアは今日も新たな食事処を開拓。
賑わう店内で二人はテーブルに向かい合って座る。
注文を済ませ、品物が運ばれてくるまでの時間はお喋りの時間となっていた。
「さあシュンたん、あたし達のトークショーの時間がやってきたよ」
楽しそうに言うマキンリアに、春太はラジオ収録みたいだなと思った。
「ああ、今日もこの時がやってきたか」
「シュンたん、今日は初めてだからさ、軽く遺体の話をしよう!」
「重っ! マッキーそれこの作品の作風に合ってないよ」
「合ってるよ。だって鳥のからあげも遺体だしトンカツだってアレ、遺体だよ」
「む……そういう話か。なんか『おくりび○』って映画で聞いたような知識だな」
「映画関係なく、そうなの。だから食べる時命をいただきますって感謝するんだよ」
「意外におふざけかと思ったら真面目な方向に行ったな」
「食に関しては妥協しないからね。シュンたんもペットに関しては妥協しないでしょ?」
「そりゃ妥協しないよ。一日3時間ブラッシングして3時間ナデナデして3時間抱っこする。これを三人(※三頭のこと)にやっているからね」
「シュンたんそれ24時間を超えちゃってるよ?!」
「俺の愛は24時間じゃあ測れないのさ……」
「キザっぽく言ってるけど、遊んでるだけじゃない。しつけとかしないの?」
「してるしてる。ちゃんとゲームは時間決めてやっているし、宿題も早めに済ませるし、ご近所への挨拶も欠かさない」
「それシュンたんのしつけでしょ。もーペットに甘いんだから」
「だって可愛いんだからしょうがないじゃん。お、注文していたものが来たみたいだよ」
「待ってましたー! さあ食べよう!」
二人のもとにほんのり煮汁の色に染まったカレイの煮付けが運ばれてきた。
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