REBEL
タイプ
第1話
もう駄目だ…おしまいだ…
鉄が地面にぶつかり舞い散る火花
それが多分今生の最後の風景だ
ああ…あと3人、ジェノ叔父さんと従兄弟のグーノ、そして父。
「父さん…」
たまらず呼びかける大好きな父に、自分の前に殺される父に。
「リム…」
あと2人…震えが止まらない
振り下ろされたあの斧が自分の首を断つなんて信じたくない。
「リム、神はいない」
スパン
落ちた首。あまりにも呆気ない。あまりにも悲しい英雄の最期。
ああ、次は…
振りかぶられた斧、血と錆の匂いが鼻をつき胃を揺らし嘔吐せよと命じた。
歯がガチガチと鳴り、震えが止まらない。
「リム・ショット…神はあの世で貴方を許す。私たちは今世における最期の言葉を許す。何かあるかね?」
何も言えない、言えるわけがない、だってだってだってだってだってだって…
「……生きたいです」
「よろしい。最期の言葉は聞きとどけた。これより死刑を執行する。汝の罪はこの死によって償われよう」
「僕が何をした!!何をしたって言うんだよ!!!!」
堪らず叫ぶ。喉が掻き切れまいと声量を落とそうとするが無視して叫ぶ。
「ふざけるなよ!父さんも母さんも何もしていない!誰も何もしてないだろ!!」
すると司祭は口を開き、
「貴様ら一族は生きた。これが罪だ。よって死ぬことで罪は消える」
言い放たれた絶望を受け止められるほど心は強くなく、反抗の声を出すための気力は失われた。生きるのが罪だという暴虐の言葉によって。
「では、執行の時間だ。あの世で懺悔したまえ。神は汝の言葉に耳を傾けてくださるだろう」
ザシュッと落ちた首、冷や汗がたらりと首を伝う、目を向けたその先には司祭と執行者の首があった。
「違う。こいつは死んでも神に話す権利すらない。なんせ、今から神に反旗を翻すからな。そういう意味では生きてるだけで罪かもな」
声の主に顔を向ける。そこにいたのは…
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