after第30話 ミリー帰る

気体となったダマが歩をニーガタの町へ向けて進める。

しかし、既に誰一人ダマを恐れる者は居なかった。


「気体か・・・だったら余裕ね!」


そう言いサラが炎王球を放つ!


「ぐぎゃああああああ!!!」


通過した部分の煙が焼かれて消滅する。

続いてフーカが手を翳す。


「お礼参りが出来る機会があって良かったわ」


ダマの体がドンドン氷に固められ削れていく・・・


「ぐぅわああああああ!!!!」


空間を削り取られたようにダマの体はドンドン小さくなっていく。

そしてゴンザレス太郎が空に手を翳す。


「その体で耐えられるかな?」


ダマの真上に天の捌きが突き刺さる!


「ボォアアアアアア!!!」


消滅していくダマの体。

しかも千切れて飛んでくるカスすらも絶対浄化のユニークスキルを持って居る人の傍にいくと消滅するおまけつき。


「もうあんたに勝ち目はないんだよおとなしく消えな!」


ミリーが合図を送る!


「やっと俺の番か!」


ニーガタの町の入り口から走ってくるSランク冒険者妄槍のデルタ!


「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!コード『射程無限』コード『弾無限』!」

「サンキュー姉さん!くらえええええ!!!!」


残りカスのダマに向かってデルタが見えない槍を次々と投げつける!

その槍の効果は固形で無い物を食らう!

ミリーの発動したコードによりデルタの見えない槍は射程無限で何発投げても消耗する事無く放てる!


「そんな・・・私の最後がこいつ等じゃなくてお前みたいな良く知らないやつだなんてー!!!」


そして、ダマはデルタの槍に喰われ完全消滅するのであった。







「終わったな・・・」

「あぁ、終わった。」

「これからどうするんだ?」

「んー一とりあえずアイツを掘り起こしてやらないとね」


ゴンザレス太郎とミリーは砂の上に座り込み話している。

ゴンザレス太郎の両太股を枕にサラとフーカは寝息を立てている。

二人共ラストエリクサーで傷は完治したのだが精神的疲労がかなり溜まってたのでミリーの事を訪ねる前に寝てしまったのだ。


「ふふっやっぱり二人には勝てそうにないね」

「そらそうさ、俺にとっても大事な妻達だからな」

「全く今更ながら羨ましいよ、それじゃあちょっと行ってくるね」

「一人で大丈夫か?」

「君のこの『プロアクションマジリプレイ』が在れば十分だよ」

「何かあったら直ぐ召喚しろよ」

「もぅ、そういう優しい言葉をかけないでよ本当・・・」


ミリーは一人いまだ煙の上がる場所へ向かっていく・・・

それを眺めるゴンザレス太郎。


そして、煙の中へ入ったミリーは出来たその穴の中へ飛び込む。

まるで永遠に続きそうな穴の底へ向かって落下していき最深部に到達した。


「いや~本当凄いね核爆発って。さて、何処かな~?」


神の力とゴンザレス太郎のスキルと言うとんでもないチートの塊となったミリーは遂にそれを見つけた。

手の平サイズの水晶、ダマの本体である。


「あったあった。んじゃここで起こすのもアレだから戻るか!」


そう言って穴から大ジャンプして飛び出すミリー。

脱出と共にその大穴に向かって神の力を使い雨を降らせる。

そして、その穴の中に女神の涙を1個放り込む。


「これで良し!」


数日後、そこには巨大なオアシスが出来上がり底に落ちている天使の涙で浄化されたその水は周囲の土地を育て緑が育つのだがそれはまた別の話。

ミリーはゴンザレス太郎達の元へ戻る。


「ただ~いまぁ~」

「おわっ?!」


ミリーはそのままゴンザレス太郎にダイブした!

勿論膝枕で寝ていたサラとフーカは驚いて飛び起きる?!


「えっ?!なに?!なに?!」

「いたい・・・」


そして、ゴンザレス太郎に抱き付いて幸せそうな顔をしているミリーの顔を見て・・・


「ミリィ?なにやってるのかな?」

「マリス、どういう事か説明して貰えるよね?」


サラとフーカの怒りがマッハで怒髪天に引火である。

ゴンザレス太郎に対して浮気だとか言わない辺りの信頼は流石とも言えるだろう。

そんなミリーは舌をペロリと出して二人にゴメンねって表情を見せ・・・


「「あぁー?!?!?!?!」」


ゴンザレス太郎にキスをする。

それを見た二人は叫ぶ!


「ごちそうさま」

「どういうつもりだ?」

「帰るからお別れの挨拶」

「・・・そうか」


ゴンザレス太郎だけは理解していた。

ミリーはサラとフーカを見て告げる。


「お幸せにね二人共」

「ちょっとそれってどういう・・・」

「マリスあんた・・・」


そして、ミリーは消えた。

きっとあの白い部屋に戻ったのだろう。

空を見上げるゴンザレス太郎はこれからの事を考え・・・

目の前に居る二人の妻の怒りをどうやって静めるか頭を悩ませるのであった。

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