第106話 ファンタビジョン

年末と言えばクリスマス!

異世界にはそう言った行事は無いのだがゴンザレス太郎の発案で魔物と人間の交流の場としてパーティーが開催されていた。

と言っても貴族の参加するような洒落たモノではなく一般の人も気楽に参加できる歌って騒げる立食パーティであった。

食事に関しては魔物サイドから白金貨が寄付されゴンザレス太郎のコード『料理で食材減らない』で多量に作って無限に出せるため参加費も食事も無料となった。


「ひゃっほー!祭りだ祭りだぁー!」

「おぅおめえ魔物の癖にいけるじゃねぇか!」

「あんたこそ人間にしてはいい食べっぷりだねぇ~」


あちこちで盛り上がる会場!

なんといつの間にか魔物と人間のカップルまで出来上がってるではないか!?


「なんだよ別に俺の好きに飲ませろよ」

「良いじゃん注がせてよ」


ゴンザレス太郎はメールがヤバイに迫ってるのを目撃したが見なかったことにして両手にフーカとサラと言う華を持ったままパーティーに参加していた。

時には喧嘩が起こったりもするがそれも…


「ほらっ今日は楽しむ日だからその辺で止めておけ」

「そうよ、喧嘩は両成敗しちゃうんだからね!」


デニムの腕に抱き付きながら酒を飲んでるジルが…

やはり見なかったことにして…


「おっおぅゴン太久し振りだな」

「フーカさんも変わらずで…」


目の前に居たのは学校のクラスメイトのアイアンとホネオ。

鬼の大群を殲滅させるほどの人間に教えることはもうないと学校を飛び級になったゴンザレス太郎とフーカは久々の再会に思わず吹き出す。


「シズクちゃんもデカスギと付き合いだしたし、俺達こんな日でも男同士なんだよー」

「ををっホネオ!俺達心の友だよなー!」


抱き合う二人…

こらこら、男同士でそういうことやってると…


『ゾクッ?!』


チラリと振り替えるとデニムの腕に抱き付きながら目を光らせてるジルの姿が…


そそくさとその場を退散する3人であった。

そして、川の方へ予定のサプライズを行おうと移動をしたらそこに人影があった。

一人は腰を曲げてもう一人は背伸びをしてキスをしているその二人…

マコトとサリアであった。

いつの間にか一緒に暮らすようになった二人が離れるのを確認し少し時間を空けてから近付いて挨拶をする。


「よっロリコン(やぁ元気かい)」


おっと本音と考えていることが逆転してしまった。

だが…


「ろり?よく分からないがサラさんも来てたんだ。」


異世界で英語がなくて助かったぜwwww

軽く挨拶をしてこれからサプライズをやるから見晴らしのいい場所に移動することを薦めて二人とも分かれゴンザレス太郎達は予定の場所に到着する。


「待ってたぞ息子よ!」


魔王である。

準備と言うような物も特に無いのでそのまま四人はサプライズを開始する!


ピューーーードーン!


空にでかでかと描かれる炎の魔法は夜の町を明るく染め天を彩る。

そう、花火である。

日本では絵が描けない複雑な形も魔法で空に描け火の魔法が得意なサラとゴンザレス太郎が花火を演出しフーカが次の花火を見やすく空の煙を風魔法で飛ばす。

そして、落ちてくる火の粉等を魔王が闇魔法で吸収し地球ではあり得ないほど美しい光景をその夜ゴンザレス太郎達は皆の記憶に残させるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る