第105話 魔王の秘密

俺の名は『麻田 舞男』

芸能人と同じ読みだが男でたまにからかわれる。

家は代々神様に踊りを捧げる家系で俺は兄の予備として小さい頃から踊りの教育を受けてきた。

高校を卒業してからは親から軟禁に近い形で家に閉じ込められ、兄がもし踊れなくなった時の代用品として生きて踊るためだけの存在として飼われていた。

ハッキリ言って地獄だった。

そんなある日、兄が体調を崩して初めて表舞台に出て兄の代わりを一日した。


なんだこれは…兄はこんな沢山の人達に囲まれこんな良いものを食べてこんないい生活をしているのか?


舞男は神に踊りながら祈りではなく怒りを捧げた。

神なんて要らない、普通の生活がしたい。

こんな毎日はもう嫌だ!


それは天罰だったのか、神様に祈りを捧げるべき時に神を否定することを言ったからなのかは分からない。

踊っている最中に突然の心臓麻痺で舞男は人生に幕を閉じた。


だが舞男は感謝していた。


(神様ありがとう、これでこの地獄から抜け出せる。)

「いやいや、どういたしまして」


舞男は驚いた。

気が付いたら一面真っ白な空間に居たのだ。

そして目の前には真っ白な人影みたいな者がいた。

それは告げる。


「君に第二の人生をあげよう、こことは違う異世界だけど何か希望はあるかい?」

(まさか神様?!そ、それなら俺は人間が居ない場所に行きたい)

「そうか、君は他人が怖くなっちゃったんだね。よし分かった、君のために僕が力をあげるよ!」


そう言って白い空間に居る白い神は舞男に何かをした。

白に白と言うとても見にくかったので何をしたのかは分からなかったが体の底から力が溢れるのを感じた。


「それじゃ第二の人生を楽しんでね~」




そして、舞男が目覚めたそこは知性のある魔物の住みかであった。


「あっ目が覚めたみたい、坊や大丈夫?」


目の前に居たのは胸だけを布で隠した女性、下半身はなんと大蛇であった。


「坊やそこに倒れていたんだけど何処か痛いところ無い?自分の名前言える?」

「ありがとうございますお姉さん、僕は舞男です。痛いところは特にないですね」

「マオーちゃんね、私は…」








「えっ?じゃあ魔王も転生者だったの?!」

「お義父さんと呼べ、そうだ。日本の鎌倉って場所の出身だ」

「僕は北海道ですよ。」

「二人共違う世界から来たってこと?」


鬼との決戦から一ヶ月と少しが過ぎて12月の後半に入っていた。

あれから魔物の町の復興のため魔物と人間の交流が始まりあっという間に月日が流れていた。

今日はたまたま魔王がゴンザレス太郎の町のギルドマスターに用事があったとかで来ていたので久々にゆっくり話をしようとギルド近くの飲食店に集まったのだが、フーカが魔力の放出を止めた魔王の名前をスキミングで見てしまう。

その名前が『魔王』ではなく『マオ』だったのでゴンザレス太郎と同じだねって事で話してみたらビックリなのであった。

ただ、魔王の会った神はゴンザレス太郎の会った神と聞いてる限り別人っぽいのが気になった。


「そっか、じゃあタツヤは見た目通り7歳じゃないんだね?」

「そんな事言ったらフーカだってやり直した分だけ…」


フーカがゴンザレス太郎の内腿をつねる。


「いだだだだだ」

「女の子に年の事を言うのは良くないわ」


自分で話振っておいて酷いものである。


「そういえば魔王は今日は一人なの?」

「お義父さんと呼べと言うに、サラの事気になるんだろ?」


ゴンザレス太郎、フーカに二人一緒に彼女にするよう言われているので気にしないわけにはいかない。

っというか、嫉妬とか無いのか気になるところだがフーカとサラは死線を潜り抜けた親友よりも強い絆でお互い結ばれているのでむしろ二人一緒じゃないと嫌だと言い張ってるのだ。


「サラなら今日の昼には用事が住んで年内は予定が空いてるはずだぞ」


魔王のその言葉にゴンザレス太郎は「ちょっと実験したいんで」と言い腰掛けてた椅子から立ち上がる。


「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」


もう慣れたそのスキルを使い初めての実験を行う。


「おっ!リストから選べるのか!」


ゴンザレス太郎が発動したのは『パーティーメンバーに加える』である。

ゴンザレス太郎がリストを操作してサラを選択し決定を押す!

目の前に突然下着姿のサラが現れたのだ!?


「あれっ?えっ?私今御風呂に入ろうと…」


混乱するサラの視界にゴンザレス太郎と魔王が入る…


「キャァァァァァアアアア!!!!」


サラの拳が魔王の顔面を捕らえて魔王は椅子ごと後ろにぶっ倒れる!

そしてゴンザレス太郎から体を隠すように小さくしゃがみこみ震えながら…


「見た?」


っと聞くのだが可愛いお尻とパンツが…


「い、いや見たと言うか…見えてる…」


っと答えるゴンザレス太郎とサラの間にフーカが入ってサラにコートをかけてやる。

12月と言うことで外は寒く、コートがあって良かったと考えるフーカにサラは抱き付いていた。

明らかに伸長差があるのでコートからやはりパンツが見えているのだがゴンザレス太郎は指摘せずに倒れた魔王の…


「なんで俺だけ…」


っと言う台詞を聞くのだった。

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