第14話 初めての町の外

クラスの人数は全部で15人で3人を1組にして冒険者を加えた4人パーティーで一つの班となった。

メンバーは春に行われた体力測定を元にバランスよく振り分けられ全然本気を出さず成績が悪かったゴンザレス太郎は勿論一番成績のいいデカスギ君と同じ班になった。


「ゴン太君、今日は宜しく!」

「う…うん…」


何故か彼まで自分の事をゴン太呼ばわりしていたので戸惑ってしまった。


「フーカさんも一日宜しく」

「……」コクン


っで体力測定ぶっちぎりの最下位を記録したフーカさんが同じ班になったわけだ。

長い髪の毛で目が完全に隠れ今一表情も分からないし声を殆ど出さないから影が薄くて彼女の名前を覚えてないクラスメイトも居るくらいだ。


「よぅお前等が俺の班だな」


そう言って声を掛けてきたのは今日一日一緒のパーティーに加わってくれる冒険者の『ヤバイ』さんだ。

もうね、名前からしてヤバイってヤバイだろ…

親のネーミングセンスを疑うって自分もゴンザレス太郎でした。


「ヤバイさん、今日一日宜しくお願いします。僕がデカスギでこっちがゴン太、彼女がフーカさんです」

「デカスギにゴン太にフーカか、よし覚えた。俺がいるから今日は安心していいぞ!なんたって俺は豚ドラゴンを倒した事もあるんだ!」

「豚ドラゴンを!?それは凄いです!」


豚ドラゴンと言えばドラゴンの一種でそのお肉は高級食材としても有名だ。


「それじゃ早速行くか!」

「「ハイッ!」」

「……」


4人はそのまま歩いて門番に通してもらい町の外へ出た。

そして、目の前に広がる地平線が見えそうな草原の景色に3人は目を奪われた。

ヤバイも初めて外を見たらそうなるのは仕方無いだろうと少し待つのだった。


「デカスギ…凄いな…」

「あぁ、僕を呼んだのか世界がでかいって言ってるのか分からないが凄いな…」

「……」


感動で立ち尽くす3人の横でヤバイがそろそろだと考え声を発する。


「どうだ?凄いだろ?これが世界の姿だ。さぁそれじゃ行くか!」


ヤバイが歩くその後を3人は付いていく。

そして…


「おっ居た居た!さぁお前達のデビュー戦だ」


ヤバイがこちらを向いて指を指す方向にはジャンプしながら移動する蛇が居た。

どうやら僕達のデビュー戦の相手はあの『蛇ラビット』になりそうだ。

僕たちは戦闘の準備をするのであった。

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