第13話 初めての課外授業

夏が来てクラスの皆は騒がしくなっていた。

それもその筈、今日は狩りの実技授業があるのだ。

この日の為に冒険者がギルドの依頼を受けて町の城壁外の草原で狩りをする補助に来てくれる。

それに先生も同行しクラス単位で狩りを行う課外授業なのである。

しかも初めて町の城壁から外に出ると言うこともあり子供達は浮かれているのだ。


「その日、人類は思い出した。奴らに支配されていた恐怖を。鳥かごの中に囚われていた屈辱を…」

「ゴン太君何一人でブツブツ言ってるの?」

「あわわわシズクちゃん?!」


高い城壁は町を魔物やモンスターから守る物で外に巨人なんて居ないのだが何度見ても町が高い城壁に囲まれてるのを見ると前世のあの作品を思い出してしまう。

ゴンザレス太郎、7歳にして中二病が発症していた。


「なんでもないよ、ちょっと頑張ろうって気合い入れてたんだ」

「そっか頑張ろうね」


あぁ~シズクちゃんは今日も可愛いな。

中身は前世の記憶もあるので合算で25歳くらいと考えると完全にロリコンであった。


「よぅゴン太、今日どっちが沢山狩り出来るか勝負しようぜ」


アイアンがまた突っ掛かってきた。

こいつも相変わらずシズクちゃんが好きでゴン太とシズクちゃんが話していると必ず絡んでくるのだ。

だが今日のゴン太はアイアンの事なんてどうでも良かった。

そう、狩りを行うと言うことは神力を大量獲得のチャンスなのである!


「え~だってアイアンのユニークスキルの熱血使ったら負けるわけないじゃん」


ここはおだてて気分良くして貰って構わない方向でいいだろう。


「まぁゴン太じゃ一匹も倒せないかもしれないけどね」

「ちげぇねぇや!」

「「あははははははは」」


相変わらず子分のホネオがウザイ。

泣いたら「ママー」とか言うのにアイアンの横に居るときはこんなんだから更にウザイ。

ゴンザレス太郎はどうでもいいやとその場を離れて授業が始まるのを待つのだった。

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