第12話 好感度MAX

「好感度MAXだと…」


それはRPGで言えば仲間になる条件、恋愛シミュレーションなら交際の条件。

だが現実世界だったら…

そこまで考えてゴンザレス太郎はトイレでほくそ笑む。

だが問題がひとつあった。


「このコードの『○○○○○○○A 12324493』にある○は多分キャラの指定だろうな…」


そう、コードを入力することで誰の好感度をMAXにするかを指定できるって考えたらこの7桁のマイナンバーみたいなのがそれぞれ誰かに割り当てられていると言うことになる…


「問題は誰が何番か分からないって事だな…」


そう、適当に入力してアイアンにいきなり告白されて力ずくで「心の友よー」とか叫ばれて初体験が「アッー!!」なんて事にでもなったら目も当てられない。

ゴンザレス太郎は用意しておいたメモに表示されているコードを控えて人のナンバーを調べる方法を探そうとトイレを後にするのだった。




「ん?人それぞれのナンバーかい?」


早速学校が終わってから先生に聞いてみた。

あまり勉強が得意ではない様に見せているゴンザレス太郎、前世の記憶があるので普通に高校卒業くらいの知識はあるのだが目立ちたくないのと頭が良いと色々と押し付けられたりするのでわざと平均くらいの成績に押さえているのだ。

それはクラスの秀才と言われている『デカスギ』君を見てれば誰もが思うだろう。

勉強が出来るだけでクラス委員までやらされてるからだ。


「しっかし、ゴンザレス太郎が質問をしに職員部屋まで来るから驚いたぞ」


異世界だからなのか職員室ではなく職員部屋らしい。

どうでもいいがこの先生は四角い眼鏡に真ん中で髪の毛を分けて後ろは刈り上げている中々ユニークな先生だ。


「おっと、人のナンバーだったな。確か『解析』の上位に位置するユニークスキル『スキミング』ってので調べられるらしいけど、このスキル自体が個人情報を丸裸にしてしまうから誰がこのユニークスキルを持ってるかは分からないんだ。っておっと、難しい話で分からなかったかな?」

「いえ、大丈夫です」


それが分かれば十分だ。

ゴンザレス太郎はまた新しいアイデアが浮かび職員部屋を後にした。

そして、レベルを上げて最初に会得したいスキルを『プロフ』にしようと心に誓ったのであった。


※『プロフ』とは『解析』の下位スキルで自らの情報のみを見れる解析系スキルである。

主に冒険者が状態異常を自分で確認したり所持してるスキルを確認したり出来る。

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