第14話 甘い唾液

「…あんた誰?」


金髪のポニーテール美少女がさやかの方を向いて聞いてくる。

ただでさえ目付きが鋭いのにジト目で睨んでくる…

きっとこう言うのが好きな男の人多いんだろうなぁ~って考えながらさやかは答えた。


「初めまして、さやかって言います。さっきケビンさんに森の中で助けてもらって…」

「ちょっとケビン!私って者が居るのに別の女連れ込むとかどう言うことなの?!」


こいつ質問しておいて聞いちゃいねー。

しかし、本当に整った顔付きだ。

昔読んだ小説でエルフは整った美人揃いって聞いたことがあるけどはっきり言ってこれは反則だ。

まるで女優クラスじゃないか!


「別に俺とお前はそんな関係じゃなくてただの幼馴染みだろ」

「ただの幼馴染み?!私の事好きって言ったじゃない!」

「あれはお前、子供の頃だし大体首に刃物突きつけてお前が言わせたんじゃないか!」

「つまり私とは遊びだったって事ね?」

「どうしてそうなる?」


二人の言い争いが続き完全に放置されるさやか


「つまりこの女が居なければケビンは私のものになるのよね?」


綺麗な顔に陰が入り黄色の瞳の部分が大きくなってさやかを見る。

怖い、綺麗なのに怖い、いや綺麗なくらい怖い。


「よせルーシー、彼女は人間だ」


ケビンのその言葉にルーシーの表情が一変した。

病んでる感じだったのが目を大きく開いてさやかの方を見る。

そして、ルーシーと呼ばれた金髪エルフはさやかの髪の臭いを嗅ぎだした。

さやかのセミロングの髪を掌に乗せて臭いを嗅いで頬を触り髪を指ですくって耳を見る。


「にん…げん…」


そう呟いたルーシーはさやかの顎に手を当ててそのままさやかにキスをした。

さやかのファーストキスは未来の世界で金髪エルフのルーシーに奪われたのだった。

甘いルーシーの唾液と舌がさやかの口の中に入りそのままさやかの唾液を舌で舐め取って二人の口は透明な一本の糸を引いたまま離れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る