第15話 っと思わせておきーの

「っと言うのがここまでの経緯ですね!」


奈村のまるで見て来たかの様な語りが終わり静まり返る空間…


「凄い店長!?そこまで理解してたんですね!?」


安居さんの尊敬の眼差しが奈村に向かう。

ドヤ顔で折り畳んだ扇子を樹の方へ突き付けて奈村はポーズを決めた。


『な…な…』


固まる樹。

安居さんの奈村を見ているその瞳はキラキラと輝き尊敬を通り越して崇め奉る域にまで達した。

だが樹から次に放たれた言葉は…


『全然違うんだが…そもそも何故ヨーロッパから日本の琵琶湖なんだ?我はただ制作者が最高の本を作る行程の途中で飽きてしまった為に本になれなかっただけなのだが…』


安居さんの奈村を見ているその瞳はドロドロと濁り、まるで生ゴミを燃えるゴミの日までまだあるからどうしようと見つめる域にまで達した。


「ありっ?」


奈村の眼鏡が触れてないのにズレる、ポルターがガイストしたのかもしれない。

コミカルなノリで会話をしやすくしたところで空気が振動するのを感じた。


『我はただ本となりたい。それだけなのに…それだけなのにー!!!』


樹は全体的に赤みを帯びて成長する。

そして…


「危ない!」


奈村が安居さんを突き飛ばした瞬間に安居さんが立っていた場所の下から根が突き出る?!


「仕方ありませんね」


そう言って扇子を構える奈村。

最後の戦いが今始まる!

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