第21話【今日、仕事サボります。】




自分には喫茶で働くなんて無理な話しだった。それは、やりたくないから?

面白くないから? いや、どちらもだ。できることなら読者や視覚的遊戯などの娯楽活動に明け暮れ堕落したい。そんな人生ををあたしは、おくりたい。


幸福を実感できるものだったそんな矢先に無情にも宿主である喫茶店のマスターから強制労働を強いられてしまった。

そんな !?自分が喫茶で上手い立ち回りを出来るのか?! そんなこと答えるまでもなく愚問ぐもんで失敗の連続は逃れるはずはなかった。

そんな、勤務2日目の早朝のこと気分転換に街外れの森の中へとマシロは訪れていた。








みきった快晴。この素晴らしい晴れやかな朝だけど憂鬱な気分で街外れの森の中で一人、黄昏たそがれていた

今は、ただ1人になりたい。今日は仕事を休もう。これは、サボリじゃない!明日から頑張る為の言わば願掛けだ。

ミシィ...「ん...:?何だろう??」

小鳥の微かなせせらぎの中、乾いた小枝が何物かにより砕け散る音を両の耳で確認する。

四角い部屋ばかりに居たせいか周囲の物音への危機反応が鋭敏えいびんになってしまい第六感シックス・センスが敏感になってしまったのは気のせいだろうか。

ふと、音のしたほうをちらりと見る。


まさか、モンスター?!と身を震わせる。

こんな防具も着けないで軽装でモンスターと出くわしたら致命傷は免れないだろう。

己の備えに対しての浅はかさを、備えあればうれいなしとは、この事だな。と心の中でぼやきながら何故か、心情は冷静だった。草木の茂みの中でガサガサっと音がしたと思うと一匹のワンコが出てきた。か、可愛い。と顔を緩めるもそいつは鋭角えいかくな犬歯をむき出しにして飛び掛かってきた。そこで、凛々しくも獰猛どうもうな野犬を前にしてハッと思い出した。



狩猟魔犬シュナイダー。それは、狩猟本能に長ける魔獣で狙った獲物は決して逃さない。元は、無数に存在するワットを大量駆除する為に解き放たれた者達だったものがいつしか野生に目覚めたのが自らの基本的欲求を満たす為に狩りをするようになったのが現在の形へと繋がったとされている。らい。。。そして、ミニチュア魔犬へと変貌したコイツらは駆け出し冒険者には十分といっていいほど危険な存在といえよう。







今、尋常に勝負デュエル!と最近、覚えてたての掛け声を心の内で叫び、魔獣の群れへと飛び込むのだった。



一頭一途一生懸に凪ぎ払っては手刀で峰打ち。払っては峰打ち。決してロッドは使わない。よし!!全て打ち砕したと安堵の息をつく。が、一匹だけ群れを抜け出し襲いかかってきた。


腕にがぶりとシュナイダーの犬歯が食い込み肉が裂かれる.....いや、痛くない?!命を奪われると覚悟するも

魔獣がしてきたのは強烈な噛みつき。ではなくてあまがみ だった。どうやら遊んでいるものと勘違いしたのか?!無害であって一興いっきょうありと判断したのだった。

ガサガサドサッ 先頭から じゃれ合いに変わった最中に再び茂みから巨大な影がうごめき出現する。それは、この辺りで現れるはずがない超大型モンスターのワンゼトロールだった。

巨大な身体をズシンズシンと動かしフシューと変な鼻息を高鳴らせこっちへとニヤニヤと

向かってくる。


『わぁ!こっちに来るなぁー!』

《光りよ》と瞬時に簡略詠唱で手のひらにスター・ロッドを展開する。

『スターダスト・シューティングスター』

必殺チャントを発動させるもロッドから光りが発せられることは、なかった。





ワンゼトロールからの大降りの棍棒こんぼうの一撃を間一髪で後方にかわし、難を逃れる。だがトロールの武器エモノが腹部を軽くかすめる。

しまった!?肉に届いた!と思うが薄皮を軽く裂かれる程度で急死に一生を得るのだった。

なんで!? ちゃんと詠唱したのに!!

『シューティングスター』

慌てて連続投稿永昌する。

が、モンスターが膝をつくことはなかった。

「あれ?魔法が発動しない?!」




魔法が発動しない事態にパニックになる。

長い引きこもり生活で、

すっかり、魔法が衰退すいたいしてしまっていた。









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