第13話【なにも無い昼下がり】
『お待たせしました、アイスコーヒーです。』
お盆を胸に抱きしめ静かに拳を握りおしとやかに下がろうとする。
「あの、すいませんが...」
後ろからお声がかかりお礼でも言われるのかと笑顔で振りかえる。
「はい!なんでしょうか。」お上品に応える
。決まった..,
「すいません。俺が頼んだの、ホットコーヒーなんですが。」
は?っ何を言ってるんだろう。
この季節にコーヒーといったら...
「え、あっ。すみません!ただいま、取り替えてきます。」
慌てて下げようとしてコーヒーを下げようと
慌ててグラスに手を掛ける。
が、勢いあまってお客様に倒してしまった
股にピンポイントにかかってしまう。
『大変。大丈夫ですかお客様』
いけない、これではまるで...
『ねぇあのお兄さん、おしっこ漏らしてるよー』と席を立つ。
小さな子供が指を指して笑う。
『あー。もう、お釣はいらないから俺はこれで』
『あのっ ...どうも、ありがとーございました。またのお越しを』
咄嗟に何か言わないとと思った言葉がこれだった、
『どうもありがとう』と乱暴に扉を閉めて帰るお客に最後の言葉が、もう来ねぇよ!
に聞こえてしまい
気落ちしてしまう奈緒子。
当初の目的だった喫茶店で働くことができた。
だけどいつまで経っても接客が的もに出来なくくて、奈緒子は、わだかまりを感じていた。
仕事が欲しいとゆう当初の目的を達成してしまったことで次に目指すべきことが分からなくなってしまっていてた。このまま目標が見つからないまま何処へたどり着けばいいのか道を見失なってしまっていた。
「はぁー。」奈緒子は深くため息をつく。
そんな奈緒子の様子を見ていたマスターは気にかける視線をおくる。『ちょっと奈緒ちゃん。ちょっと。』自分の元へ奈緒子を呼ぶ。
「なんですか。」
「いや、なんてことは無いけど最近、調子はどうかなと思ってさ。」奈緒子の肩に手を置きにこやかに伝える。
「えっいや、大丈夫ですよ。へーき!へーき!」「そうか、なら良かった。それなら少し気晴らしに行ってきなよ。」
「えっ、...大丈夫っていいましたよ。」
「まぁまぁ、ちょっと甘いものでも食べに行ってききたら。」
「そんな、悪いですよ。えっ、いいんですか。あ、りがとーございます」
そんなこんなで臨時休暇を貰う。ことになった。
その日の午後の昼下がり。奈緒子は一人で昼間の暖かな陽気の中を一人でとぼとぼと街中を歩いていた。「いったい、どうしたらいいんだろう...」Barist,sしか喫茶店を知らない奈緒子は一人で街中をさ迷ってこの臨時休暇をどう過ごしたらいいのか、空っぽな自分に問いかけていた。
*
昼下がりの
「すいませーんお団子1つ。」
みたらし団子を受け取り頬張り
美味しさを表情一杯に表現する
嫌なことを只ただ忘れたくて。
「はぁー、美味しぃ」みたらし団子の最後の一口を口に運び
小さく呟く。
カランと団子のくしが地面に落ちる音がハッキリ聞こえる。
ダメだ。一人で居ると心の中に忍び寄ってくるものがある。
『こら!ゴミは捨てない。』
「ハッ、ごめんなさい。」
通行人の人に注意されて
慌てて、しゃがんでくしを拾おうとする。
「そのお団子おいしいですか。」
目の前に、微笑み立っているリサがいた。
「えっ、どうして...」キョトンとした顔で見上げる。
「わたしも、臨時休暇を貰ったんだよ。奈緒ちゃんに道案内してあげてってマスターに言われて。」
『そうだったんだー助かったよ。一人でどうしようかと思ってたんだ。リサちゃんが居れば心強いよ。』
「あ、ありがとう。」
照れ臭そうに視線を外してお礼を言う。
「マスターから臨時休暇を貰ったのは嬉しいけど、どこへ行ったらいいか分からなかったんだ。」
「そうだったんだ。そらなら、わたしのオススメカフェを案内しようか。」
『ありがとー!いいのー』
嬉しさのあまりに身を乗り出してしまう。
「え、いいよいいよ。気にしないで。」リサ胸を張ります得意げに
鼻をかく。
「ほんとうに、ありがとう...」
このまま一人で居たらどうにかなりそうだったからリサちゃんの優しさが、深く静かに
心に染みた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます