第9話 佐伯健二夢のために動き出す

中学に入り健二は自らの知識を活かして行動することを開始した。

学校に申請を出し知人の工場で見習いアルバイトを開始したのだ。

自宅が生活苦ではないが医者を目指すなら医大を出なくてはならない。

健二の雑学や知識は伊達に65年も生きてなかったと言わざるを得ないほど様々な分野に浅く広くありそれを教師陣が認めたため特別に許可をそれたのだ。

健二は知らなかったが2年先に入っていた兄健一も裏で色々と手を尽くしていた。

それもあり苦学生でありながら努力を惜しまない真面目な生徒と他の教師にも伝わった。


だが日頃の無理がたたり中学2年の1学期に健二は学校で倒れてしまう。

そして、両親を交えての三者面談で健二が親に何も伝えていなかった事が判明する。

当然親は激怒、教師陣は手のひらを返してバイトの禁止を告げた。

健二は一度も両親に医者を本気で目指していると伝えたことがなかった為、健二の事を信用しなかった。


そして、中学2年の正月明けそれは発生した。

そう、阪神・淡路大震災である。

この時、健二は今まで貯めたバイトで稼いだお金を持って近くの薬局で持てるだけの消毒液やガーゼ等大きいリュックに入るだけ購入し現地に前日入った。

両親は驚愕した。

健二の置き手紙に地震の予知と自らが医者を目指していて怪我をした人を一人でも助けるために兵庫に向かうと書かれていたからだ。


健二にとってもこの日は従兄弟の結婚式の前日という覚えやすい目印があったので記憶していたのだが健二の予知がこの後悲劇をもたらすのだった。

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