第7話 佐伯健二イジメを止める
医者を目指すと決意して2年が過ぎた。
同級生が休み時間に遊ぶなか俺は一人医者を目指して様々な事を学んでいた。
特に保険医が親身になって色々教えてくれたのが良かった。
そんな中、一人だけ違うことをする人間に対し他の人間がすることと言えば一つであろう。
イジメである。
だが、佐伯健二自身は自らが加害者として過去に行った事がありまた社会に出てからも周りに様々な嫌がらせをされてきたので所詮子供の嫌がらせである。
健二は甘んじて受け入れやり返すこともなく靴を隠されたりする日々を過ごしていた。
自らが大切なものは肌身離さず持ち歩き自分の事を馬鹿にする相手は無視した。
ただ一つだけ、広瀬が荷担し始めたのには心を痛めた。
そんなある日に事態は一変した。
クラスメイトの川崎と言う女子が俺を庇ったのだ。
子供と言うものは残酷だ。
イジメのターゲットが川崎に移ってしまったのだ。
数日間は何もして来ないなと呑気なことを考えていた自分が後から許せなくなった。
気付いたのは川崎が昼に給食を食べずに教室を出ていったからだ。
そして、目を赤く腫らして午後の授業に裸足で戻ってきた。
それを見て授業が始まったにも関わらず俺は俺を虐めていた一人の席まで歩いていった。
「川崎の靴はどうした?」
「はっ?なんのことですかぁ~?」
俺は座ってるそいつの頭を掴んでそのまま机に叩き付けた。
そして、再度尋ねる…
「川崎の靴はどうした?」
「ひぃっ痛い…」
再び俺は机に叩き付けた。
それで漸く教師が俺を止めに入りそいつから俺を引き離した。
クラスでも孤立していた俺はその日を境に完全に一人になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます