第6話 佐伯健二人生の目標を決める

それは突然の出来事であった。

俺は10歳になり小学4年生になっていた。

学校までの20分を行きは近くの地域に住んでる者達での集団登校だったが帰りはバラバラに帰宅する。

その帰宅中に兄が車に跳ねられたのだ。


前回の人生では無かった出来事、多分兄が片目の視力を失わなかった事から連鎖的に偶然が重なり遇う筈のない事故に巻き込まれたのだ。

俺は兄健一と仲が良かった。

前回ではあり得ない状況である。

俺自身は兄をどうこうと言うのは無かったのだがきっとやんちゃした事で間接的に兄を困らせたりしていたのであろう。


健二は気付いて居なかったが兄が変わっていたのは健二が変わっていたからであった。

一度65歳まで生きた健二の人生観や価値観が兄に与えた影響は大きかった。

健二の知らないところで兄は健二を誉める言葉を聞き健二は兄がいるから頑張れると話していた。

子供にとって世界は狭く周囲の与える影響はそれだけ大きいと言う事なのだ。


自宅に帰った健二は母親に連れられて病院へ急いだ。

到着すると命に別状は無いが現在手術中で兄は右足を複雑骨折したと告げられ健二は祈ることしか出来ない自分に腹が立った。

自分が歴史を変えたから兄は後遺症が残るかもしれないそれが許せなかった。

そんな俺の祈りが通じたのか兄の手術は成功しリハビリをすれば元通り歩けるようになると聞いて家族全員で喜んだ。


そして、俺は兄を助けてくれた医者を見て目標が決まった。

俺はこの人生で何を学び何をしたいかこの5年間ずっと考えていたが遂に目指したい目標が見付かった。

俺は医者を目指す!

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