11日目 浦さんと亀

【登場人物】浦島太郎、亀


むかしむかし…

いや、今は昔?

否、今は今


 ある浜辺に浦島太郎と言うものがおった。

 浦島太郎は鶴の羽根の様な白銀の長い髪を潮風に遊ばせながら遠く遠く海を見つめて考え事に耽っておったそうな。


 そこへ海から、いや、普通に陸地から男がやってきた。


「そこの人。どうかしたのかい?」


 男が声をかけるまでぼんやりとしていた浦島太郎は、しかしまぁ、声をかけられても男に目もくれず「やぁやぁ」とのんきに相槌を打った。


「最近のう、なかなか使のでな…もしかしたらわしの必殺技が弱いのではないかと思い悩んでおったのだよ」


 ハハハと浦島太郎が笑うと男は神妙な顔になってこう言ったのさ。


「ぼ、僕なら力になれるかもしれない!」


 その言葉に浦島太郎は目をまんまると開いてやっとこさ男を見やると、「それもそうか」と手を叩いた。



─────


「シェイン、今日は大砲をぶっぱなしたいです」


 鼻息を荒くしてシェインはレイナに導きの栞をせがむ。


「えーでも、まだ浦島太郎弱いじゃない!と言うか武器さえあれば強いんだけど…しょうがないわねぇ」


 レイナは浦島太郎の栞をシェインに渡した。都合よくヴィランがぞろぞろと集まってくる。


「ムフフ。腕がなりますね。…どれ、子童どもを懲らしめてやろうか」


 早速浦島太郎にコネクトしたシェインはバコンバコンと大砲を打っていく。そして必殺ゲージが充填され浦島太郎は大砲を担ぐ。


「亀戒仙万!」


 浦島太郎が火を、いや、水を吹く!勢いはいいが誰もが被ダメ少ないんだよなぁと嘆き、亀入りの水鉄砲を食らうヴィランもまぁちょっと痒いくらいだと余裕をぶちかましているそんな時。


「クル…グルルル!!??」

「「「え?えーーーー?」」」


 ヴィランに水圧よりも亀よりも重量の重い何かが当たり一瞬にして全てのヴィランが靄に帰した。


「「ふぅ」」


 息を吐いたのは浦島太郎と、


「やぁやぁ上手くいくものだねぇくん」

「僕も本当はどうなることやらと思ったけどよかったよかった」


 カッカッカと笑う二人に一同はポカーン。


「これで僕もれっきとしたウミガメになれたかな?」

「もちろんもちろん!やぁーめでたしめでたし!」


「めでたくねーよ!自分の話に戻れー!」 



とりあえず、中の人が浦島太郎の必殺技の亀、代用ウミガメ入れたら面白くないか?と考えたしょーもないハナシ。ちゃんちゃん♪

※浦島太郎さん普通に強いですよ!






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