歯が痛い。

先月の終わりくらいから歯が痛い。

歯痛からの頭痛と首回りが痛い。

先日も仕事中に痛くなったので、一日2錠の薬を朝にのんだにも関わらず、昼からもう2錠のんだら今度は胃が痛くなってきて、仕方なく早退した。


そして今日も朝から歯が痛い。

とりあえず2錠はのんだがまだ効かない。

体を動かしながら気を紛らす。

白い襟のあるブラウスに、

黒いスカート

素足はまだ寒いから

ハートの模様のタイツをはいてから

時間をかけてお化粧をする。

私は化粧品が好き。

日本で見つけた「Kate」がお気に入りだ。

「牙疼…。」

思わず口にだしてしまう。

歯が痛い。


彼とは10時の約束だ。

まだ一時間ある。

それまでに治ればよい。

たまっていた洗濯物を干しながら、スマホにはいっている音楽をかけた。

少し気が紛れる。 


あれだけ本気にならない様にしようと、自分で誓ったはずなのに、やはり彼と会えるのは嬉しい。


ーういしんー

「元気か?」

彼かと思って慌てて文面を確認したが、

中国の男友達からだった。

「うん。どうしたの?」

「俺、離婚した。」

「はっ?なんで?」

「性格合わない。もう無理。」

「そう。」


中国は結婚はみんな早い。

30歳までにはだいたいの人が結婚する。

そして離婚が多い。

私の友達も何人も離婚している。

だからは私は結婚に憧れがない。


私は日本が好きだ。

過ごしやすいし、街もきれい。

みんな親切だし、中国で働くよりも給料もよい。願わくば研修が終わっても、もう少し日本で働きたい。

それから…

もう少し彼と一緒にいたい。


そんな事を考えていたら10時10分前だった。まだ少し歯が痛む。

さっきまで明るかった空が薄暗くなっている。

「アイヤー」

雨はきらい。

せっかくのデートなのについてない。

そう思いながら、テーブルに伏せって傷みが緩和するのを待ちながら、

彼が来るのを待つことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る