待つ

毎日仕事で顔を合わせる。

「クリーム作っておいて。」

「ナンカイ?」

「11。」

「アー?」

「じゅういち」

「オッケー!」

仕事の指示はだす。

「キョウ仕事オオイ?」

「あー多いな。」

話しもする。


でもーういしんーはこない。

「仁さん機械調子悪いわ、ちょっとみてくれる?」

「はいはい了解です。」

「いきなり電源落ちた。」

「ありゃりゃ、断線してるわ…。」

「シャイーン」

「なにー?」

「コレ少しチイサイダイジョウブ?」

「仁さん主任何処にいますか?」

「わからん」

「オニーサン!」

「あー!?ちょっと待て!」


 今更ながら、カタカナまじりの会話は日本人ではない。

ブラジル人、

ネパール人、

ベトナム人に、

中国人。 

グローバル、インターナショナルと言えば聞こえは良いが、言葉が通じないし通訳もいない。本当によくやってると思う。

「オニィーサン!!」

「ちょっと待て!等一下!」


待つ

待つのは苦手だ。

早く答えが知りたくなる。

要するに辛抱なしだ。

いったい彼女はどういうつもりなのか?

ただ疲れてるだけ?

ただの面倒くさがりや?

日本語に疲れている?

それとも僕が嫌になったか?

いやー女々しい。


自分の気持ちに素直でありたい。

でもそれは自分勝手で

自己中心的な考え

相手の気持ちは無視だ。

相手無くして恋愛は成立しない。

気持ちの押し付けはできない。 

相手合っての自分であって…。

きっと僕は失敗を恐れているのだ。

誰にも嫌われず生きていく事などできない。

みんなに愛されたい。

それこそ自己中心的な考えでわけで…。

それこそ自分に正直ではない。

自分をさらけ出さない人間は

きっと誰からも愛されない。

何故なら自分に嘘をついているから。

当然相手にも自分が伝わらない。


 結局自分に嘘をつき続ければ…

いつかボロがでる。

相手が知らない僕に出会ってしまった時には、きっと裏切られた気分になるだろう。


ならば初めから自分に正直でありたい。

相手には誠実でありたい。

例え偽りの姿に扮しても、

僕は僕なわけで、

いつかは相手に伝わってしまう。

つまり誠実とは、

きっと自分らしく、

自分に素直であるべきなのかもしれない。


それでも今は返事を待つ。

待つだけじゃなくて

待つ事で自分が何をしたいのか、

じっくり考える

きっと今はそういう時なのだろう。






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