つながる
僕はいつも左側
彼女はいつも右側
何となく定位置
そうして当たり前のようにつなぐ手
最近アジアドラマを借りて良く見る。
当然語学勉強のためだが、
つい内容に目がいってしまい、字幕を追うので右から左へ聞き流してしまう。
でも知っている単語はやはり耳に残る。
ういしん
「アナタ今ナニをスル?」
「家でドラマ見てる。」
勉強がてら、語学力試しに
「你看一起?来了吗?」
あなた一緒に見る?来ますか?と送ってみる。
「オッケー。」
?来るの?まぢか?
「迎えにいくわ。」
「何時?」
「10時」
「マッテマス。」
えー言ってみるもんだ。彼女がうちに来てくれるなんて!!!!!!!!
一応普段から掃除は心がけていた。
彼女がいつ来ても良いようにスリッパも買っておいた。
いつか来てもらおうと、彼女が過ごしやすいように、テーブルも買い替えて、イスも買って、ベンチ型のソファも買った。
DVDも壊れていたので買い替えた。
語学勉強の為にiPodも買った。ちなみに全部中古だけど。
なんだかんだで、かなりお金を使ったがまぁ彼女の為とは言いながら、結局自分の為でもある。
「早」
「早!行こうか?」
すると彼女はイタズラな目で、
「は?ワカラナイ?日本語ワカラナイ。」
あーそういうことね。
「我住宅你来了」
「来る?行く?ニホンイッショ?」
「違うよ。オッケー?」
「あーオッケー」
とりあえず合格みたいだ。
そして家に向かった。
彼女はアイスクリームが大好きだ。
途中でアイスクリームを二個とポテチを買って部屋に着く。
「どうぞ」
「オジャマシマス」
「ふぁんいんふぁんいん」
「コーヒー飲む?」
「いらない。」
「アイスクリーム食べてね」
こくんと頷く。
そして自分のコーヒーをいれて戻ると、
アイスクリームが二つとも空いてた。
「二つとも食べるんかい!」
ニヤリとする彼女。
可愛いから許す。
それから二時間ほどDVDを見て雑談しながら、お互い勉強会。
話は他の研修生に彼氏がいるとか、この娘は若いとか、
「じゃーアナタとこの娘等は彼氏いないんだ?」
「ワタシはいます。」
「?はっ?前に聞いたらいないっていたよね。」「ニホンにいない。結婚してない。ダイジョブ。ワタシ結婚しない。1人がいい。」
「はーまぁ彼氏がいるのかよー…。まぁ良いけど、で私の事はどう思ってるの?」
なんだかんだで、ショックを受けつつ気が動転してるのか、彼女の気持ちを聞いてしまった。
「あー…。」
「好き?嫌い?友達?それ以下?」
気が急いで少し早口になってしまった。
「ごめん、焦りすぎた。私はあなたが好き。あなたは私の事…」
「スキ!」
!!!!!!!!!!!!!!!
「なんて?もう1回言って?」
「スキ!」
なんてこった。
彼氏がクニにいる
彼氏とは結婚しない。
でも僕の事がスキ?
混乱、また勘違いか?
「アナタやさしい、スキ」
「おーあいにー」
思わず抱き寄せる。
僕の肩に頭を乗せて寄りかかる。
つないでない手を腰にまわす。
拒否なし。
そしてまた彼女の唇にせまる。
そこは拒否する。
「我想吻」
こういう言葉は覚えるのがはやい。
「ワカラナイ」
「いやわかるだろ。」
「シラナイ」
「なんで嫌なの?」
「ワカラナイ」
「オッケーもうしない。」
「ワタシ夜仕事ワタシもうカエル」
しまった…。また怒らせてしまったか。
調子にのり過ぎた。手をつなぐだけでいいって自分がいったのに。まぁ仕方がない。
「家まで送るよ。」
「あー」一応笑顔。
思ったよりも怒ってなさそうだ。
しかし少しずつ距離が縮まってきている感じがする。喜ばしい半面彼女が帰ったあとの事を思うと寂しくなるし辛くなる。
それでも手と心は繋がっていたい。
そして話はリアルタイムと繋がっていく
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