高い所は苦手なんです。

そして僕は彼女を連れて駅へ向かった。

駅は近所なのに、彼女は駅の場所を知らない。

知らない土地で、しかも物価の高い日本では彼女は、本当に家と会社の往復なのだろう。

 少しキョロキョロしながら、あまりみない風景が新鮮なのか少し楽しんでいるようにも見える。

「うーやー」

「何?」

「カラス、私のクニみんなキライ。」

「アナタはキライ?」

「嫌いだな。日本人もみんな嫌いかな?」

「ココ何?」

「あーお店。パチンコわかる?」

身ぶり手振りで説明。

「もう駅だよ。」

「チカイ」

「あー近いでしょ。」

「はい、切符」

「アー。」

そして電車に乗り込む。

電車で一時間。

僕もここに行くのは初めてだ。

一応本屋で購入した本で下見をしたけど、

この辺は地元じゃないので今一自信がないが、

さも知っているかのように電車の乗り換えをする。

が、駅に着くとさっそくどちらに行くかわからない。

ここは正直にわからないと言おう。

「俺も初めて来たし、道わからん!」

「ワカラナイ?」

「楽しみましょう二人で」

「アー」

さっそくキャラクターの出迎え

…んーやっぱり歳とったからかな?

それともキャラクターにあまり馴染みがないからなのかな?やはりディズニーには勝てないのか、あまり感動がない僕。とりあえず彼女に

「写真撮ったりしないの?」

「モッテキテナイ!」

やはりあまり感動ないのか(>_<)

まぁ乗り物乗ったりすれば、少しは楽しめるかな?まさかジェットコースターに乗ろうとは言わないだろう。

言われても僕は乗らない。

いや乗れない。

怖い…。

あんなもん進んで乗るやつの気が知れない。

とりあえずクールなやつ行ってみるか。

で彼女の方を見ると

鳩を追い回して喜んでいた。

…可愛い。

かわいすぎる…。

なんてボーッと彼女を見ていたら…。


「ぎゃーーーー!」

真上を絶叫が通り抜けていく。

「あー怖。あんなん絶対嫌だ。」

「ア?アナタあれ乗る?」

即答で

「乗りません!」

ニヤニヤする彼女。

?嫌な予感

「よしこっちに行こう!」

ととりあえず遠ざける。

「あなたコワイ?」

「あー怖い。」

と開き直り。迷いなから突き進む。

すると目の前にさらなる絶叫が

「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーギヤー!」

ぐるぐるまわるやつ

座らないタイプ

うつ伏せタイプ

見ただけで青ざめる。

横で彼女が僕の顔を見てニヤリ

「ノリマスカ?」

「…。」

無言で首を振る。


その後なんこかのアトラクションに挑戦し、少しここに来たのを後悔する。日本語のあまりわからない彼女には、3Dと乗り物のコラボはわかりにくいかもしれない。それでも

「おもしろい?」と聞けば

「アー」とにこやかに答える。

「あなたは絶叫マシン乗りたい?」と指さしながら聞いて見る。

「アー!」

と素敵な笑顔で答える。

「イッショノル?」

1つ男を見せなければならないか。

「よし乗ろう!」

と言ったそばからかなり後悔

俺多分死んでしまうわ。

「イッショダイジョブ?」

「だっ大丈夫!」

「アナタコワイダイジョブ?」

「大丈夫ないけど、あなたと一緒ならがんばる!」「ダイジョブ、ガンバッテ!」

今日は風強い。

そして寒い。

今日から新しいアトラクションが始まったせいか、

いつもは2時間待ちのこのアトラクションが、異様に早く前に進む…。

って前のカップルがお菓子をバリバリ食べながら話していた。

これからあれに乗るのに何お菓子食べてんだよ。どうゆう神経してるんだ。

「ポケットの中身は全部かばん等にしまって預けてください。」

と係員が叫んでる。

あー格好つけなくりゃ良かった。

乗る前から心臓ちぎれそうだし…。

「ダイジョブ、コワクナイ。」

あんまり不安な顔をしてたのか彼女がニッコリ笑いながら、手をつないでくれた。

「わたしのミギテ、ゆぅしゅう」

繋いだ手を見せて

「あなたのヒダリテ、ずぇしょう」

少し落ち着いてきた。

「ちぇしょう。あなたダイジョブ!」

「うん大丈夫!」

そして乗り込む

当然手は離さざるをえない。

ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、…。

ガッタン…………………………………。


「だいじょうぶじゃないよーーーー!!!!!!」

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