sentencespring 浮かれた想いと、自尊心。
他人事だと思って見ていた。
いつもはこちらから「ウィシン」するのに、その日は珍しく燕ちゃんの方から入ってきた。
「シゴトおわり」
「お疲れ様😃」
「アナタ今ナニしてますか?」
「テレビ見てるよ。」
「あなたは今からご飯ですか?」
ほぼ日本語でやりとりしている。
そこは彼女に頼りきっている。
一応わかる範囲でピンインする。
「ワタシまだ、タベナイ。」
「あなた、次の休み、遊びに行きませんか?」
ピンポーン
あれLINE?
しかも別居中の妻から…。
「そろそろ答えをだしませんか?」
このタイミングでくるか‼
「そうだね。」
「あなたはこれからどうするつもりですか?今のまま別居をいつまでも続けるつもりですか?」
ブーブー(ウィシン)
「ナニをシマスカ?」
「遊園地にいきませんか?」
「游乐园?」
「そう。一緒に行きたい。」
ピンポーン
「どうなんですか?」
「離婚するべきだと思う。」
「私もそう思います。」
「あなたには、家族や私に対する未練や後悔はないのですか?」
「ないわけがない。でも何度も何度も繰り返される、言い争いとケンカと別居。私には明るい未来は想像できません。そろそろケジメをつける時期だと思う。」「私もそう思います。手続きは、淡々と進めましょう。」
ブーブー
「OK。イツ?」
「次の休み。私とあなた、同じ。」
「また連絡するね!」
「对😃」
「また明日ね」
「アナタアシタシゴト?」
ピンポーン
「わかりました。離婚届けは僕が用意します。その他の手続きは市役所で確認します。」
「届けは、前回使わなかったものがあります。また手続き関係解り次第連絡ください。」
「わかりました。」
ブーブー
「ワタシはアシタシゴト」
「私も仕事です。」
「ナンジ?シゴト」
「夜9時仕事!」
「明天見!」
「また明日ね!」
複雑な心境。
こういう事をいうのか。
今現状は明らかに僕が悪いか。
別居中に別の女の娘と遊びに行く約束。
ゲスか?
いや僕は違う。
でもそれは言い訳。
好きものは仕方がない。
言い訳にもならない。
妻はこれからも働きながら子育てする。
家は彼女の実家。
私は養育費もちゃんと払う。
しかし彼女の背負う物は大きい。
私よりもはるかに。
しかし、何度も別居を繰り返してはやり直してきた。
そして今回僕は、
限界を感じていた。
彼女と一緒に過ごす事に。
僕は彼女と生活していると、
自分らしさを抑えざるをえない。
もとからいい加減な性格だ。
大雑把
横着者
おおらか
O型
全てにおいて彼女には気に入らない。
その上
あなたのお父さんは…
あなたのお母さまは…
あなたのお兄さんは…
あなたの弟は…。
私の家系にはそんなおかしな人はいない。
子育てが上手くいかないのは、あなたの家系のせい。
それを彼女と彼女の母親に言われた。
いや、言われ続けてきた。
僕はある時本当に自分に問題があるのかと思い、
相談所に駆け込んだ。
自分の置かれた環境を事細かに、涙ながらに話した。
「あなたはどうしたいのですか?」
「わからない。彼女がどうしたら笑って過ごせるのかわかりません。」
「いや、あなた自信の事を聞いているんです。別れたいのですか?別れたくなくて悩んでいるんですか?」「…子どもの事を思うと別れない方がいいと考えています。」
「あなたは自尊心が失われてますね。辛かったでしょう。あなたがどうしたいか、一度考えてみてください。」
そういうと、眼鏡で白髪の細もての彼は、「アサーティブコミニケーション」という一冊の本を教えてくれた。
僕は、その足で図書館に向かい、その本をすがる思いで読んだ。
少し救われた思いで、家に帰り妻に理解してもらおうとその日の事を話した。
しかし彼女と彼女の母親は二人揃ってこう言った。
「自尊心がないのは昔からでしょ。だからいじめにあってたんじゃないの?」
返す言葉もなかった。
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