リアルタイム3

 「彼に話した事怒ってる?」

「ナニ?」

「イミナニ?」

「私の事を怒ってますか?」

「ナイ」

「良かった😃」

「アナタ、ナンジ、シゴト?」

「今日は休みだよ。」

「イッショない😞」

「一緒ない?」

「明天見😃」

「また明日ね☺」


…?一緒ない(>_<)あれ?怒ってるどころか…?

どうなの女心?

深い意味はないのか?

からかってるのか?

それでも妄想だけは膨らむ。

今までだって女性の言動に1人浮かれて勘違いしてきた。

 

 そう中学校の時たまたま席が近い娘と仲良くなった。

彼女とは、マンガやCDの貸し借り手紙のやりとりもしていたし、(手紙といっても授業中にこっそり渡す小さいやつだけど。)

バレンタインデーには、「義理だよ。」とか言われながら、しっかりチョコレートももらった。

部活の試合前には手作りの御守りまで作ってくれたのに…

三年間で、

三回告白して、

三回とも撃沈した。

意外と一途な僕。

けしてモテルわけでもないのに、別の娘に告白されても(こちらは三年間で一度だけ)断ったのに。

女心は全くわからない。

こんなにおっさんになってもわからない。


 まぁいづれにせよ、こういう時は大概自分の勘違いなわけだ。

 中学時代は若気の至りで仕方がないとして、さすがに今暴走するわけにはいかない。

今暴走したら、

若い娘に入れあげたおっさんが、

勝手に勘違いして追い回す。

ただのストーカーに違いない。

それだけはごめんだ。

 でも…それでもついにやけてしまう。浮かれてしまう。仕事に断然ヤル気がでてくる。

単純な私。

いや男は至ってシンプルな単純な生き物なのだろう。


 それと平行して自分の仕事が責任感を増していく。

今まで、誰かしらと組んでしていたところを、1人で任されていく。現実は楽しい事ばかりではない。

だからこそ励みが必要なのだ。

 彼女の研修期間は一年間。それが終われば自国に帰ってしまう。その後、僕は何を励みに生きて行けば良いのだろうか?

 彼女は日本への執着はなく、自分の家族の元へ帰りたがっている。

 僕はいくら彼女が好きだからといって、今の会社を辞めて日本を離れる気はない。

何故ならば僕は、元嫁と結婚する為に関東から関西に出てきた。その為に自分の親とも兄弟とも友人とも疎遠になってしまった。

 元嫁はお金に厳しく、

自分の家族にもあまり良い印象を持っていなかったのもあり、

私は弟の結婚式にも、

祖母の葬式にも出られなかった。 

そんな思いはもうしたくないからだ。


それにもう結婚はしたくない。


それでも彼女を求めるのは、

やはり僕のエゴに過ぎないのかも知れない。




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る