待ち合わせ

そう彼女との接点は会社のみ。

何処に住んでるかも知らないし、聞くのは難易度が高い。

どこで待ち合わせるかなど選択の余地はないのだ。

しかしまぁ会社での待ち合わせはリスクが高い。当然他の実習生や同僚に出会う可能性もあるわけだ。できれば公にはしたくない。仕事もしづらくなるし、なんとなく気まずい。


悩んでる場合じゃないか。


とりあえず手紙だ。

バイブル登場。

25日 会社 駐輪場 19時 待ってる。

‼ 駐輪場って載ってないじゃん。

自転車、じてんしゃ…。

駐車場…。合わせたらいけるかな?

文法わからない。単語全部並べて…?

これでいこう。


などと短い休憩時間を使ってこそこそと紙の切れ端にロッカールームで試行錯誤。


さて、いつ渡す?とりあえず休憩終わりだ。現場に戻る…、あっ燕ちゃんが…。

たまたま休憩に上がってきた!

「休憩?」

「あ?」

ゆっくり話す「きゅうけい?」

「きゅうけいだ。」ツタナイ日本語にキュンとくる。

「こっ…これ」あわてて手紙を渡す。

「ナニ?」

とか言いながらその場で内容みる彼女。

「わかる?」

「19じ?…7じ?」

「夜…よるね!」

てっいうか、誰か来たらやばいな。などと回りを気にしてきょろきょろ。さいわい誰もいない。

「大丈夫?」

「OK!」

「じゃあまた後でね!」

小さく手を振りながら、心でガッツポーズ!

で、ふと顔上げると…監視カメラ

ありゃりゃこそこそしてる意味がなかった。

とにもかくにも、25日まであと2日これで仕事を頑張れる。男って単純だ。あれ?


そういえば伝わったのかな?駐輪場…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る