逢瀬

月と夜空が逢瀬の最中なので

雨雲がカーテンを閉めています


おかげでこちらは雨なのです


ぼくはうんざりしています

何日遊べば気が済むのかと


そんな今夜は

ぼくも彼女と会うのです


相も変わらず大雨です

彼女がやってこないのです

時間はとっくに過ぎています

それでもぼくは待つのです


逢瀬はまだまだ終わりません

ぼくらは始まってもいません


まだかな

まだかな


逢瀬はまだまだ終わりませんが

彼女の姿が見えました

駅からタタタと駆けてきます

全身見事にずぶぬれで

どうやら傘がないようです


ぼくは夜空を見上げます

今夜の逢瀬に感謝します


だってほら

ぼくの手には傘


これに彼女を入れるのです

並んで歩いて寄り添って

幸せ気分で帰れます

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