行動結果的に元の木阿弥

朝起きる。


基本的に夜はカーテンを閉めて寝るタイプなので、部屋は真っ暗。そして、朝を迎えたことを目覚めてすぐに知りたくないタイプなので、カーテンはすぐに開けない。


だから、本日の空模様を知るのはリビングに移動してからだ。


昨日の天気予報は曇りと言っていたけれど、今はまだ晴れ間が多い。風も冷たくて気持ちがいい。


焼けたパンにかじりつきながら、ふと思いつく。


せっかくの天気だし、寝室を換気するか。


ADHDなので、1度思い立つと行動へ出ずにいられない。ので、かじりついたパンを皿へ置いてすぐに立ち上がる。


カーテンを閉めたままで暗かった寝室は、それを開けるだけで一気に明るくなる。陽光が消毒してくれてる、みたいな。

で、からからと窓を開ける。冷たい風が流れ込んでくる。


「お」


この窓の向きには空き地があったけれど、最近区画整理が始まっている。

そこに、小さな公園が出来ていた。つい三日前には何も無かったのに。

何気に公園が好きなので、小さくても、多分行かないだろうことが分かっていても、ちょっと嬉しい。


「さて、朝ごはんの続き、と」


窓を閉めてカーテンを元通りにしたあと、中断していた朝ごはんを再開するため、リビングへ戻る。


「改めていただきます」


本日2度目の合掌をして、食べかけのパンにかじりついた。


――そのパンを噛みちぎりながら跳ねるように立ちあがる。


違うよ、オレは換気しに行ったの!窓とカーテン閉めたら何もしてないのと同じなの!


元の木阿弥状態の寝室に、僕は再び向かうのでした。

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