第15話 2人が
純也が体育館倉庫のドアを開ける。しかしそこには誰もいない。しかし倉庫内の電気がついている。不自然だった。
「誰もいないのに…何で電気付いてるんだろう?」
「確かにな…不自然だな。純也、探そうぜ。隠れてるかもしれないからさ」
「おう、そうだな。俺あっち探すわ」
2人は体育館倉庫内を探す。
亜希子と歩が話している時、突然ドアが開いた。2人が話すのをやめ跳び箱の間から入って来た人を見る。亜希子はその人を見てハッとする。
「…純也君だ…」そう小声で言った。
純也と啓太が話している。何を話しているかはよく聞こえない。そして話し終え2人は部屋の中を探している。亜希子と歩を探しているのだった。
純也と啓太は体育館倉庫に置いてある物をどかし2人を探す。しかしいない。数分探したが見つからず、純也は跳び箱の最上段に座り啓太は近くにマットを持って来てそこに座っている。跳び箱の中に目的の2人がいるとも知らずに2人話している。
「あいつら、どこ行ったんだろうな。ここにもいないって事はもうヤられたのかな」
「その可能性もあるかもね。どうするよ。俺たちの想いをさ、伝えるの」
「ん〜〜。やっぱり帰り際に聞いてみるか?」
「そうだな…はぁ。好きだって事伝えたかったのに。どこ行ったんだ全く…」そう言いため息をつく純也。その時、跳び箱の中から、ガタンと音が鳴る。2人は跳び箱を見る。中に誰かいる、そう確信した。純也が跳び箱の最上段から降り啓太も立ち上がる。そして2人は最上段部分を持ち上げた。
床に最上段部分を置く。
2人は中を覗き込んだ。
亜希子と歩は男子2人にバレないように息を殺して出て行くのを待っていた。しかしすぐには出て行かずに2人は何やら話している。そして純也が跳び箱の最上段部分に乗り、座る。亜希子のドキドキはマックスに近い。
―じゅ、純也君がこんな近くに…!はぁ、もう私これだけで幸せ。今死んでもいいくらい。あれ?待って…跳び箱の最上段に座ってるって事は…純也君のお尻が私の頭の真上にあるって事⁉︎ダメよ何考えてるの私。変な事考えちゃダメよ…バレたらヤバイんだから……
亜希子の額に汗がにじむ。そして緊張と謎の興奮で息遣いが荒い。
「ん〜〜。やっぱり帰り際に聞いてみるか?」
「そうだな…はぁ。好きだって事伝えたかったのに。どこ行ったんだ全く…」
2人の会話が亜希子の耳に入る。
―え?好きだって事伝えたかった?え?嘘?嘘?もしかして両思いなの?私たち!嘘でしょ嘘でしょ?そんな事ないって…きっと嘘だよね……あーもうどうしたらいいの?
亜希子は完全に混乱していた。その時足が跳び箱に当たってしまい、ガタンと音が鳴る。ヤバイ、そう思い亜希子は落ち着こうとした。聞かれていない事を願ったが、その願いは届かなかった。
跳び箱の最上段部分が動く音がする。そして跳び箱の最上段部分が取り除かれ天井と蛍光灯が見える。その間から誰かが覗き込んだ。
覗き込んでいたのは、純也と啓太だった。
「やっと見つけた。ここに隠れてたのか」
純也が言う。そして啓太が続く。
「探したんだぞ。全く」
亜希子と歩は、終わった、そんな表情をして覗き込んでいる2人を見つめている。
ついに、見つかってしまった。
他の男子生徒達は、本気を出し残りの女子生徒を探す。その時間もかなりの人数の女子生徒が見つかり、男子生徒に犯された。
女子生徒、残り109人。
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