第11話 親友との別れ

「…なんで、ここに来たの」そう言う風香の声が震える。


「いやー、いつもお前ここに居るから居るかなーって思ったからさ。寄ってみただけだよ。そした3人が居たってわけ」軽やかな口調で良樹が言う。




「さてと…」と良樹が言う。そして3人を睨みつけた。3人はその視線にビビってしまい動けなくなってしまう。風香にはその視線に覚えがある。良樹が怒ったりするときの視線だ。



「犯させてもらおうか。そっちも3人だしこっちも3人だから丁度いいじゃん」


良樹と純也と啓太が3人に近づく。壁際に追いやられた女子3人に逃げ場所はない。ここで終わってしまうのか、そう3人は思っていた。しかし風香が近づいてくる3人に口を開いた。





「良樹!あ、…わ、私に手は出してもいいけど、この2人に手出したらみんなにバラすよ…中学の時の…!」


あの事とは良樹が中学時代に男子を殺した事だ。風香はそれを泣きそうになりながら良樹に言った。



「ちっ…まだ覚えていやがったか…忘れろって言ったじゃねえか。風香…俺はお前を殺したりはしない。だがな、ルールの中でお前に罰を与えてやる…」座っている風香に良樹が近づく。良樹がしゃがみ人差し指で風香の顎を触る。




「なら、取引しようよ。3人で私を自由に好きにしていいから…この2人は逃して。それで…逃げた後も手を出したりしないで。それをしてくれたらは絶対に言わない。約束する」良樹と風香が目を合わせている。風香がそれを言ってから数分間、その部屋には静かな空間が広がる。




「風香がそう言うなら仕方ねぇな。おい、そこの2人。この部屋から離れろ」立ち上がり、壁に寄りかかり座っている2人を見る良樹。その時、風香が持っていた竹刀を亜希子に手渡す。



「何かあったらこれで男子追い払いな」笑顔でそう言う風香。その間には涙が浮かんでいる。



「また後で、会おうね」

風香がそう言う。決して風香との永遠の別れではないのにそれを聞き、さらに亜希子と歩の目に涙が浮かぶ。



亜希子と歩は立ち上がり2人は手を繋ぎ走り出す。そして部屋の出入り口へと向かう。




走り出した亜希子と純也はすれ違う。亜希子の目と純也の目が合う。すれ違いざまに亜希子は小声で純也の名前を呼ぶ。


「純也…くん…」



純也はそれに気づき部屋を出て行く亜希子を見る。追う事は出来ない。再び視線を良樹たちの方に移す。



「さぁて…風香。楽しませてもらおうか」



良樹がそう言い、男子3人は風香を取り囲む。そして服を脱がしていった。下着を取り裸になる風香。抵抗はしない。男子3人はそれぞれ風香の体を気が済むまで犯し続けた。















美術室を後にし走る亜希子と歩。走りながら2人の目からは涙が出ている。その涙が目から離れ、しばらく空中を飛んだ後、地面に落ちる。





風香から手渡された竹刀を持ち、2人は校舎内を走る。次に隠れる場所は決まっていない。


ただ、がむしゃらに走り続けていた。





鬼ごっこ開始から、4時間が経過しようとしている。





女子生徒、残り 176人。

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