22 幽霊騒動 後編
放課後。幽霊騒動を解決する為、理緒は杏子に、強制的にプレハブ校舎の前に連れてこられていた。
「 嫌だー。たとえ、演劇部の人がやってると分かっても、血まみれの女子に会いたくないから俺。 怖いの駄目なんだから〜」
半泣きどころか、マジ泣きで杏子に、哀願するも聞いてもらえない。
「 しょうがないでしょ。生徒会として、演劇部に注意しなきゃいけないし。それに、理緒のお願いなら聞いてくれると思うのよ。」
「 なんで!」
「 私と同じように、可愛い娘好きな人だから。」
「 なんじゃそりゃ。」
理緒は、呆れて、ツッコミを入れる気にもなれない。
本館校舎の時計が、五時を示す頃、彼女は、表れた。
「 ねぇ、そこのオチビさん。」
「 はひー」
理緒は、恐怖のあまり変な返事をする。
「 演劇部の部長さん。こんな悪質ないたずら辞めて頂けませんか? 多数の生徒から被害の訴えが多くて、困ってるんです。 先生からも、注意されましたよね?」
怖くてガクブルな理緒と違い、杏子は、至極真面目に注意した。
「 何よ。きょうちゃんのケチ。大体、きょうちゃんが、お姉ちゃんの相手してくれないから、いけないんじゃない。」
注意された、演劇部の部長は懐からウェットティッシュを出して顔を拭きながら、杏のの子に向けて文句を言う。
杏子は、ギロリと演劇部の部長を睨み付けて怒鳴る。
「 ざけんな。このくそ姉。私が、構わないからって、全校生徒巻き込むような、いたずらしてんじゃねぇ。 お陰で、私がこんな苦労するんだよ。」
「杏子さん。ヤンキーみたいになってます。」
理緒は、杏子にツッコミを入れてから、目の前の部長さんに、お願いする。
「 あの、本当に、辞めて下さい。俺、超がつく怖がりなんで。」
「 きゃー可愛い。 分かったわ。こんなに、可愛い娘のお願いなら、今すぐ辞めるわ。こんないたずら。」
そう言って、彼女は血まみれの制服を脱いで、言う。
ちなみに、血まみれの制服は、卒業生からもらった物を利用している。
「 きょうちゃん。辞めたわよ。いたずら。これなら、いい?」
普通の制服姿になった部長さんは、そんな事を言う。
「 どうでも、いいけど。姉妹喧嘩なら、全校生徒巻き込まない下さい。」
「「 ごめんなさい。」」
姉妹は、同時に謝った。
「 ねぇ、杏子。わざわざ、俺がここに、来なくても良かったんじゃね? 杏子の家に行ってお姉さんに、お願いすれば、いいんじゃ。」
「 そうなんだけど、私一応、生徒会にいるから、執行委員の仕事しなきゃいけないし。
家で、お願いしたんじゃ、辞めないもの。」
「なんて、お姉さんなんだ。」
理緒は、本当に呆れた。
怖がりなのに、幽霊騒動の解決手伝わされるし、しかも、騒動の原因が、杏子のお姉さん。
疲れた。理緒はそう思った。
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