第13話 13話 おにゃんこさんは、恋のキューピッド後編
「座って待ってて。お菓子とか持ってくる。」
理緒は、そう言って部屋から出ていく。
涼は、テーブルの側のクッションに座った。
涼の脇に、おにゃんこさんが、お座りするとおしゃべりするように鳴く。
「んな。んなな? 」
「何、理緒の事好きかって言ったのか?」
「 んな。」
「そうって、おにゃんこさん。おれは、理緒の事が、好きだよ。ちゃんと、恋愛対象としてな。」
涼が、そう言うと廊下から、バタン、ゴトンと音が聞こえた。
涼が、あわてて、部屋のドアを開けたら抱えてたジュースを落としたらしい理緒が、いた。
( 今の会話 聞かれたか ?)
涼は、おにゃんこさんとの会話?を聞かれたかと思うが、その様子はなく理緒は、ジュースを拾って部屋に入ってくる。
「 この前、休んだ時のノート見せてくれるんだよね? 」
「 ああ、ほい。 数学と社会 。」
「 ありがとう。助かる。」
理緒は、受けとると自分のノートを出して写しはじめた。
「 んなな、んなん。」
おにゃんこさんは、理緒の側にいってそう鳴く。
「 何? もっと、涼に近寄れって?」
「んなな ! 」
おにゃんこさんは、理緒の言葉に力強く頷いた。
( さっき、おにゃんこさんと涼の会話聞いたから、近寄るの恥ずかしいんだけどな。まっいいか。)
理緒は、涼の向かい側に座っていたのを、移動して、涼の隣に座った。
涼は、理緒の行動に、ドキリとする。
「 別に、変な意味は、ないよ。俺的に落ち着く場所が、ここなんだ。」
「 あっそうなんだ。はは。」
理緒と涼の間に、ビミョーな空気が流れた。
「 んなな、んなん。 んなな!んなーん。」
「 何、おにゃんこさん。大きな声出して。」
「 とっと、告白するならするにゃーって怒ってる? 」
「 あの、告白するって、俺に? 」
理緒が、きょとんとした顔で、涼に質問してくる。涼は、自分の迂闊さに気づいて、言う。
「 そう。理緒に、告白しよかなって思って、今日来たんだよ。」
「 やっぱり、さっき、聞こえたセリフは、ウソじゃないんだ。涼が、俺好きだっての。」
「 そ、それで、返事は?」
「 涼の事は、好きだよ。ただね。友達としての好きか、恋愛対象としての好きか、明日までに、答え出すから待ってて。お願いします。」
「 ……わかった。」
涼は、そう返事した。
「 絶対、明日には、返事するからね。」
理緒は、念を押すように、そう言った。
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