1幕 2章 2話 ‥めんどくさい

「今日は朝からみんなと一緒だね〜」



教室に向かう途中、ちゃんりながニコニコしながら私に言った、

今日の1限は全員同じ授業を履修している。

授業を決めるとき、誰も相談せず、授業一緒だったらラッキー程度なものだ。

なので、こう、4人一緒というのもあまりないことだ。



「一緒だねー。珍しいよね。4人一緒って。」



「ね〜!でも嬉しいよ〜みんなと一緒に授業受けれて〜!」



るんるん♪と効果音がなりそうな、ちゃんりなの嬉しそうな声で言った。


そうだろう。この4人の中でちゃんりなは1番授業が被る確率が低い。

ゼミも、学科も被っていない。私たちとは共通するものが少ない。

1人で授業を受けることも多々ある、ちゃんりなにとっては人と受ける授業は、嬉しいものだろう。

‥‥私だって、1人で授業を受けるのは嫌だ。




4人1列。

授業で並ぶ席はいつもこうだ。

これだと両端組は絶対に話せないの、わかっているはずなのに。

前後ろで2人2人で座ればいいのに。

そうしないのは暗黙のルールなのか、なんなのか。

あみ、ちゃんりな、私、くうこの並びで座った。



‥なんでくうこは先に席に着かなかったんだ?

私達より前に歩いていたはず。

‥‥もういつものことだ。

半ば諦めて携帯を取り出す。



「ねえねえ〜あみ〜!」



「んー?なにー?」



隣であみとちゃんりなの喋り声が聞こえる。

あーしゃべってるーと思ったと同時に。



「りょーか!なにしてるのー!?」



というくうこの大きな声と共に





‥‥私の携帯は取られた。




「あっ」



「んーなにー?インスター?」



私の携帯を見つめていじっていた。

‥‥こんなことは初めてでは無いが、さすがに人の携帯を覗くのはどうなんだろうか。



「‥くうこ。返して。」



いつもの口調とは違い少し強めに言った。

すると、彼女は、




「えー?なんで?見られたらマズイものでも調べてたのー?」



‥‥そういうことでは無い。

プライバシーの侵害ではないのか、そもそも人の携帯を勝手に覗くのはモラルが無いのではないのか。



そう言えたらどれだけいいのだろうか。

くうこは機嫌が悪くなるとすごく面倒。

この後に、悪くない私がなぜか責められて、機嫌を悪くするのは目に見えている。

諦めて携帯を気がすむまでいじらせた。

見られても困るものは何もない。

私のイライラさえ隠せば何でもいい。



「ねーねー!この写真なぁにー?どこで撮ったのー?」





くっついて私の携帯で遊んでいる。







‥‥めんどくさい。










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