第2章 新しい出会い②

(どうしよう。)


 お父さん、お母さん、私は今人生最大の危機に直面をしています。

 森の中を食料を探しに出て道に迷い、挙句には空腹で倒れていました。

 そこまでは記憶があったのですが、どうやらそのまま寝てしまったらしく起きてみたら知らないボロボロの天井。

 寝心地が良いとは言えないベット、お粗末な布を掛けられていたまでは気にしない。

 ただ……。


 すぅー……、すぅー……。


 椅子に座ったまま寝ている人間を見て私は。


「きやあああぁぁぁぁぁぁ!!!」


 全力で叫んだ。







 疲れで寝てしまっていたらしく先程の盛大な悲鳴で飛び起きた。

 警戒用で準備してあった木の棒を持ち周辺に視線を向ける。

 ベットに目を向けると先程運んだビーストが目を覚ましていた。


「あ、起きたんだ。平気?」

「ななな、なな、ななななな。」

「ん?」

「なんで人間がここに居るのー!!」


 驚愕きょうがくの表情を浮かべ布を胸元で握り締めながら叫んでる。


「居るのって聞かれても行く宛が無いから居るだけで、そもそも行き倒れていた君を運んだのは僕なんだけど。」

「嘘でしょ!?穢れの分際で私に触ったですって!あぁ、お父さん、お母さん、穢れてしまった私を許して下さい。」


お?


「穢れてしまっては仕方ないです。この男を殺し、私も死にます。」


イラ


「あぁ、どうしてこんな事に。私はまだやりたい事がいっぱいあったのに。それも全てゴミみたいなあなたの罪です。ですから潔く死んでください!!」


イライラ、ブチ……


「人が黙って聞いてい居りゃ、穢れだの罪だの挙句には死ねってお前何様だぁ!!」

「な!?穢れの分際で歯向かうのですか!良いでしょ。受けて立ちますよ!」

「まーた、穢れの分際って言ったな。次言ってみろよ。ただじゃぁおかねーぞ。」

「えぇ、何度でも言ってあげますよ。この穢れが。」

「あーあ、言った。言っちゃた。もう、許さないからな。後で泣いて謝っても遅いからな!!」

「ふん、穢れの分際がいきがるなよ!八つ裂きにしてドブに捨ててやる!!」


ん?


「聞いてるの!なぁに、いざやるとなったら怖くなっちゃった?ださーい。」


まてまて


「これだから穢れは嫌なのよ。都合が悪くなると逃げようとする。」


まてまてまて


「僕の言ってる事が理解出来るの?それに普通に会話出来てる。」

「はぁ?私は今本気で怒ってるのだからね!!今更謝っても遅いし、私に触った時点で死刑は確定なんだから大人しく殺されろーー!!」


 そう言うと爪を出し襲いかかってきた。

 が……


ぐううううぅぅぅぅ


 お腹の大きな音と共にその場に勢いよく頭から落ちた。


「とりあえず落ち着いて話そうか。」


 そう言いながらリンゴに近い果物を差し出した。

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