2ページ 未知との遭遇(1)

 クワ村を出発してから3時間。だいたい10㎞は歩いただろうか。

 「……少し休まない?僕、もう、くたくただよぉ。」

僕はそう言いながら腰を下ろした。休む気満々だった。

「そうだねー。」

清々しく晴れた空を見上げながら、メリクスも座る。が、カサドラは平然として立っている。僕の倍くらいの荷物を持っているのに…。

 「カサドラも座りなよ。」

メリクスがカサドラに笑いかける。僕も続いて言う。

「そうそう。きゃ、休憩も大事だよ。」

「……噛んだな。ふふっ。」

噛んだ恥ずかしさより、カサドラが笑ったことに驚いた。それはメリクスも同じだったようで、僕らは顔を合わせ、カサドラの方を向いて、にんまり笑った。

 最初は、何か、顔についているか、と言っていたカサドラだったが、次第に顔を赤く染めて、そっぽを向いた。無口なのではなく、単なる恥ずかしがり屋だったのか。僕は彼女の新しい一面を知れて嬉しかった。

 が、その時、一陣の風が吹いた。しだいに辺りを黒い霧が包み込む。草木が枯れ木に変わる。僕らは離れないように腕を組んだ。メリクスが叫ぶ。

「何が起きた!?」

「わからない!ただ、離れてはだめだ!」

と言い、カサドラは槍を構えた。

 すると、霧の中から一人の男が現れた。

 


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