僕の冒険日記

@kanarisyai

1ページ いざ、冒険へ

「あ~、もうヤだな~。」

 ここはクワ村。広大なリンド大陸の西端にある、小さな村。王都であるカーミラは、東に約200㎞行かないとたどり着かない。

「文句ばっかいうなよー。また怒られても知らないからな。」

僕の本音を受け流して、親友のメリクスが笑う。メリクスは、村一番の美少年で、頭がよくて、愛想もよくて、なんでもできる奴だ。

「あと少しで儀式は終わるんだからよ。」

 この村では、15歳になった者は、王都へ出稼ぎに行かなければならないため、旅の道中の安全などを願い、‟旅立ちの儀”を行うのだ。

「…よしっ、これで終わったよ。あんたたちが旅か…、心配だなぁ。」

儀式を執り行ってくれた顔なじみのおばちゃんが言う。

「まあ、カサドラちゃんがいるから大丈夫だとおもうけど。」

カサドラは、僕とメリクスが王都に行くための案内役兼用心棒だ。年は同じだけど、武術は一番強い。それにかわいい。けど、恥ずかしがり屋で、そんなに喋ってくれない。

「…早く、行こう…。」

少し顔を赤くしながら、カサドラは話した。僕たちは、村を元気よく出ていった。

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