第7話 フラワーコンテスト❕

何か、むしゃくしゃして眠れなかった夏子さん。


同窓会もあいつのせいで楽しめなかった。

ちいちゃんには、次の日、断りの電話して挽回しだけど。


はー。

どうしよう。

明さんには、

「お友だちになりませんか?」って言われちゃった。


あの日は、誰かに側にいて欲しかった。

とりあえず、心配かけちゃったから、

「うん。よろしく。」って答えたけど。


あいつは、あいつで、次の日から、用も無いのに店に来るし…。

どした、もんかね?


「夏子、ゴロウのドッグフード無いから買って来てくれないか?」

「えー、もうないの?わかった。じゃ、駅前まで、ひとっ走りして来る。」


夏子さんは、駅前のペットショップにゴロウのドッグフードを買いに出掛けました。

今日は、快晴です。

とっても気持ち良い青空です。

空を眺めていると、嫌な事もぶっ飛んでしまいそうです。

明さんと智を足して2で割ったら丁度良いのに?

夏子さんは、そう思いました。

そんな人いたら、誰もが上手く行きますよね。


あれから、一ヶ月が経ちました。

確かに、私が、次の恋に行かないのは、まだ、智に未練が有るからかもしれません。

いい加減、毎日なので、親や、お客さんの目が有るので、一回位、食事に付き合ってやるかな。


駅前に、つきました。

可愛らしい犬と、猫の看板が見えます。

〔ミーワン〕と、書いて有ります。

私は、ペットショップに、つきました。

棚に並んでいるいつものドッグフードを手に取りました。

たまには、少し贅沢もいいかな?

ビーフの缶詰めも3つ買いました。

「ありがとうございました。又、お願いしますっ!」

定員さんの声と共に、店を出ました。


何気なく、駅前を探索していると、掲示板のショーウインドに、

"第34回フラワーアレンジメントコンテスト、応募者募集!"の貼り紙を目にしました。

専門学校の時は、何回か出展して、新人賞と佳作を取りました。

社会人になってからは、店の忙しさにかまけて、出展して居ません。

久しぶりにやってみようかな?と、思い、スマホの写メを撮りました。


「これでよしっ!と。」


あんまし、ゆっくりしていると、父さんに起こられるので、店に帰る事にしました。


店に近くと、見覚えの有る顔が、見えました。


「今日こそは、夕飯を一緒に食って貰うぞ。」


「いいですよ!少しは、反省の色が伺えますから。」


「じゃ、許してくれたの?何食べたい?」


「まだ、許してませんよ。智のおごりでステーキなら、付き合ってあげてもいいかなと。」


「ちぇっ、しぶといな!いいよ。じゃ、ステーキに決まりなっ。」


「オッケー。着替えて来るから、少し待っててくれる?」


「おっ、俺の為におめかししてくれるのかな?」


「馬鹿言わないの。なんで、あんたの為におめかしなんかしなくちゃならないのよ。仕事のカッコじゃ、一流ホテルは、通してくれないでしょ?」


「そっか、って、ホテルで食事するの?前に行ったステーキハウスかと思ったよ。今日は、高くつきそうだな!次いでに泊まってく?」


「ホテルが嫌なら、行きません。それから泊まりません。他の子誘ったら?」


「わかった。わかった。食事にホテルへ行かせて貰います‼」


夏子さんは、笑顔で笑って、店に入って行きました。


「母さん、今日、晩ごはん要らない、それから、少し遅くなると思うから先に寝てて。」


「分かりました。できるだけ早く帰りなさいよ。」

「分かった。」


私は、二階に上がって、少し、コジャレた服に着替えました。

久しぶりのデートなので少し、嬉しく思いながら。


用意が出来たので、下におりました。


下に降りると、智が笑顔で、迎えてくれました。


「内のお姫様は、高くつきますなぁー!」


「其ぐらいの事しても、バチは、当たらないと、思いますが‼」

「だから、ごめんって、言ってるやん?」


さすがに、智は、へこんでいます。


「じゃ、駅前のホテルターミナルね。」


「はい、はい。」


そう言って、二人は、車を走らせました。


「2ヶ月後のコンテスト参加してみようかな?

確か、来週、参加申込締め切りだったなぁ?忘れずに、出しとこっと。」

「何、さっきからブツブツ独り事言ってるの?」


「えっ⁉こっちの話。」と行って、微笑みました。


「気持ち悪っ!」


「うるさいー‼」


何にしても、前に進まなきゃ、未来は明るくなりません。


少し、頑張った一日でした。

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