第3話「善行を考える男」
ある未開の村に「真の善行とは何か」を考える男がいた。
男は今まで誠実に生きてきたつもりであったが、まだその「真の善行」にはたどり着いていないという確信があった。
男は「真の善行」を実行してみたかったのだ。
何年も何年も、男は「真の善行とは何か」を考えて生きていった。
しかし、一向に「真の善行」は何かを解き明かせないままであった。
ある時、男は道で新聞を拾った。ずっと閉鎖的な村で暮らしてきた男は感激し、何十回、何百回と新聞を読み返した。
新聞を読み返していくうち、男は「真の善行」とは何かを悟った。
男は新聞を握りしめ、村の外れにある崖へ向かい、その崖から飛び降りた。
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