第28話 イベント1日目2


name ネーラ

種族 アルラウネ

所持スキル 

【樹魔法】【成長】【不和の絶叫】【樹界降誕(封印中)】【???】

樹木の精霊の幼生体。まだまだ成長の余地がある。

【樹魔法】により、攻撃や防御、果ては戦闘の補助までこなすオールマイティー。彼女の経験の蓄積と召喚者との友好が深まることにより、更なる力を解放できる。


name ガルム

種族 フェンリル

所持スキル

【威圧の咆哮】【騎乗】【爪撃】【ドレインバイト】【狼王疾風陣(封印中)】【フルムーン・ブラッドフェイズ(封印中)】【???】【???】

アリオトの血盟陣の力により呼び出された狼王。王であるが故に、誰かの下に着くことを良しとしない。召喚者の力量不足により、一部の力を使用できない。彼に認められれば、その力を借り受けられるだろう。


カプッと召喚した狼様に頭を噛まれた後、足下で心配そうに見上げているネーラ共々【鑑定】を行った結果です。うん、まさか王様クラスを喚びだしているとは思いませんでした。それは怒るよねぇ……。

とりあえずは…、

「えーっと、ガルム?」

「グルァ」

呼び掛けには反応して貰えるみたいですね!

「喚びだしておいてアレだけど、私からは貴方に命令したりしません。だけど、今は街の危機なの。貴方の力を貸して欲しいの!!」

「…グルル」

「お願いします!!」

また、カプッとやられるんだろうか…。

戦々恐々としていると、ガルムは四肢に漲らせていた力を抜き、ゴロンと横になって目を閉じてしまいました。

これは、OKと言うことになるのでしょうか?

いえ、沈黙は肯定と見做して良いのです!!

ところで、話はモノスゴク飛んでしまうのですが…。

ガルムさんって、物凄くモフモフなんですよね……。

ああ、あのモフモフを撫でたい。可能なら、あの柔らかそうな毛並みに寄り掛かって顔を埋めたい!!

と言うわけで、少しずつ手を伸ばしてみます!!

…ソロソロ…ピクッ…ソロソロ……ピクッ……ソ…ロ……バチッ

あと少しで、毛並みに手が触れる所でガルムと目が合ってしまいました。あ、ドウモ…。

一人と一匹が氷の彫像の様に固まっていると、抜け駆けするように、一匹の姿がササッとガルムに近付いて行きました。

「キュワキュ~ワ!!」

「…ガル」

「キュ~ワ!!」

ネーラとガルムの間で何らかの話がついたのか、ネーラはそのままガルムのお腹に寄り掛かって、じゃれつき始めました。

……アア、ナンテウラヤマシイ……

ええい、ネーラに嫉妬している場合ではないのです!!

昔から女は度胸と言うではないですか!!

と言うわけで、レッツトライ!!

「グルァ」

ペチン!!アフン、肉球パンチ!!

くそう、私はまだダメですか、そうですか……。


そんなこんなで召喚モンスター達とじゃれていた私です。すっかり割り振りのことは忘れていました。

アワワ、私はどちらに向かえば良いんでしょうか?

とりあえず、東門に向かっていきましょう。一番初心者向けのエリアでしたしね。

「カンカンカンカンカンカン……」

鐘を打ち鳴らす音が、門の方から聞こえてきました。

そして、俄に騒がしくなる周囲のプレイヤーさん達です。

もしかして、襲撃が始まったのでしょうか?

「東門にゴブリンが来たぞ!!」

「西門の方でも、スカウトがゴブリンの集団を見つけたって。」

「南と北にも来てるぞ。早く行かないと、他の奴らに根こそぎ取られるぞ!!」

あっという間に、プレイヤーさん達が駆けだしていきました。

私も、ネーラとガルムと一緒に東門で戦いに行きましょう!!



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