第24話 プレイヤーと交流しよう

ドロップの確認を致しましょう!!

え~と、一角兎の丸角、小さな毛皮ですか。小さな毛皮は、他のウサギと同じドロップですね。【錬金術】で加工してしまいましょう!!問題は、一角兎の丸角ですが…。あれは、丸角って言うんですかね?傍目には、結構鋭く尖っていた様に見えたんですが…。

まぁ、良いのです。これも、最終的には【錬金術】で何かの素材にするか、NPCのショップにでも売り払いましょう。

そして次は、今回の功労者であるネーラへの労いです。いや~、本当に1番美味しい所をかっ攫っていきましたね!!当の本人は、私の足下でいかにも誇らしげに胸を張っております。仕方ないなぁ、それナデリコナデリコ。

「キュワキュワキュゥワ~」

ナデナデに合わせてご機嫌に揺れているネーラです。

「ネーラ、本当にありがとうね!!とても助かったよ!!」

「キュワ!!」

うんうん、やっぱりネーラは可愛いですね~。

最初の時は、私の死に戻りで召喚解除されてしまいましたから。

一人と一匹でホンワカ空間を満喫しておりますと、陽が丁度中天にかかる頃になっていました。

朝から狩りに出て、もうお昼でしたか。あんまり数を狩れていませんね。午後に向けて、もう少し効率良くモンスター狩りを行っていきたいところです!!

う~ん、今も結構草原エリアの端っこに来ているのですが、もう少し森側に寄っていった方が、プレイヤーさんも少ないのでしょうかね?それに、森の中にはまだ見ぬ錬金術の素材がザックザクな予感がするのです!!

というわけで、ここら辺の薬草採取を行った後は森の方向へレッツゴーなのです。

流石植物系モンスターなネーラは、薬草採取でもその能力を遺憾なく発揮してくれました。コレはもう、呼び捨てでは無く、さん呼びをしなくてはならない気がしてきます。まぁ、当の本人は撫でてあげるととても喜ぶ可愛い癒し系ですが。……本当にラブリーなんですよ、もう!!

そんなこんなで、時折ホッコリしつつ森に向かって移動中です。出てくるモンスターも変わりなく、野ウサギさんとグラスドッグですね。さっきの激戦以降ホーンラビットさんを見かけませんが、やはり上位種かレア個体だったのでしょう。

今も、ネーラの拘束から私の薙ぎ払いのコンボで敵を一掃中。うん、攻撃が確実に当たるって素晴らしい!!

それにしても、こちら側は本当にプレイヤーさんを見かけません。さっきまでは周りを見渡せば結構人影が見えたのに、今はいらっしゃいませんね。時折見かけたのは、明らかに初心者装備から脱却したプレイヤーさん達です。きっと、ああ言う人達をトッププレイヤーと呼ぶのでしょう。私には縁の無い話ですね~。

そうしている間にも、また新しいプレイヤーさんの一団が現れましたね。一応、礼儀として会釈ぐらいは送っておきましょう。ペコリ。

「こんにちは、ソロでここまで来るなんてスゴいね!!攻略組かな?」

は、話しかけられてしまいました。お相手は、東門に居た某迷惑プレイヤーズみたいなチャラチャラした人ではなく、いかにも好青年なオーラを放つ方でした。

他にも背が小さな女性プレイヤーや、犬耳を生やした男性プレイヤー、横に長い耳のローブ姿の男性プレイヤー、後は私と同じ感じの耳である弓を背負った女性プレイヤーの系5名のパーティーですね。ちなみに、好青年さんがオーソドックスな盾と剣、小柄な女性の方が…アレは槌ですかね?犬耳さんが大剣を背負ってて、エルフ感バリバリのローブさんが杖をとバランスが良さげな感じです。

「あ、突然すみません。このパーティーリーダーのアレクといいます。」

「ご丁寧にどうも、私はアリアです。」

「アリアさんは、これからボスに挑まれるのですか?」

ボス?え、ここら辺ってボスが出るエリアだったんですか!?どうりで、他のプレイヤーさん達に、あまり会わない筈です。まだ皆、レベル上げの真っ最中なのでしょう!!

「もしかして、皆さんは…?」

「ええ、これからボス討伐に向かうところです。その感じだと、違ったみたいですね。」

「ええ、経験値稼ぎと素材集めに…」

「ええ、もしかして生産職もしてるの?」

いきなり話に飛び込んできたのは、弓を背負ったプレイヤーさん。

「あ、ごめーん、ポチョムキンって呼んでね?それでそれで、アリアさんは何の生産?【調薬】とか【鍛冶】?それとも【錬金術】?」

息もつかせぬマシンガントークとはこの事でしょうか(混乱)。そうすると、犬耳を生やしたプレイヤーさんも会話に混ざってきました。彼は……大剣装備の方ですね。

「ポチョムキン、他のプレイヤーの情報詮索はマナー違反だぞ。」

「でもさ~、バン、生産職と渡り付けておけるとすんごい楽だよ?」

「何度言ったら分かる、ヴァンだ!!」

「そこ拘るよね~」

私を置いて、話がドンドン脇道へと逸れて行ってます。そして、これにはアレクさんも苦笑いです。

「ゴメンね、アリアさん。彼女らも悪気は無いんだよ」

「あ、ええ、大丈夫です。」

「アレク、そろそろ行こう。勝つにしても負けるにしても、夜の前には終わらせたい。」

「そこはコーネルに同意だよ。ああ、コッチのエルフがコーネル、私がバーバラ。よろしくな、アリア。」

「あ、はい。よろしくです。」

遂には、ローブエルフのコーネルさんと小柄な女性のバーバラさんも混ざってきました。これで、アレクさんパーティーはオールコンプリートです!!

「そうだね、それじゃアリアさん。僕たちはこれで失礼します。また縁があれば、お会いしましょう。」

妙な達成感を覚えているうちに、彼らは森に向かって進んでいきました。結局、ポチョムキンさんの疑問に答えて居ないのだけれど、良いのでしょうか?

まぁ、行ってしまったのは彼らですし、うん、考えても仕方ないよね~

そして、思いがけなく入手したボス情報です。絶対に勝てないのは分かってるんですけど……怖い物見たさってありますよね?これは是非、お目にかかりに参りましょう。

とりあえず、今日の所は一旦切り上げて、ログアウトするために始まりの街へと戻りましょう!!

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