第23話 レアモンとバトろう
戦闘は順調に進んでます!!
ネーラが開始直後にホーンラビットを蔦で拘束、野ウサギ5匹が跳びかかって来ましたが、バックステップで回避すれば、野ウサギ達は地面に激突して目を回します。後は、動きの鈍っている野ウサギさん達を【旗槍術】のアクティブスキルでチクチク刺していくだけの簡単なお仕事です!!
そして今、ホーンラビットがネーラの拘束を破って動き始めました。
「ネーラ、ありがとう!!」
「キュワキュワ!!」
さてと、こちらを睨み付けているホーンラビットさんの相手をしなければなりません。まだ戦闘開始直後に発動したバフが効いているうちが勝負です!!
「ネーラ、当たらなくて良いから相手に拘束を仕掛け続けて!!」
「キュワ!!」
先ずは、先手を狙いましょう!!
1番の攻撃速度が速い〈一閃〉でダメージを……。
「って、速い!!」
ホーンラビットは此方の攻撃を横っ跳びで躱して、そのままの勢いで此方に体当たりを仕掛けてきました。
どうしましょう、旗槍を引き戻そうにもアクティブスキルの発動直後の硬直で動けないです。
そして、何もできない間にホーンラビットの角が私のお腹に直撃しました。
「痛……くない。」
当たった瞬間に衝撃は感じましたが、とても堅い角が当たったとは思えないような感じです。でもしっかりとHPは一割ほど減っていました。最初に掛けた〈守護の祈り〉と〈鼓舞〉のお陰でEndが上がっていたお陰でしょうか?
っと、戦闘中の考え事とか、そんな余裕無いんです!!
気付いたら、ホーンラビットが再突撃の準備を終えてました!!
そしてまたも跳びかかって来るホーンラビット。
今度はバックステップで避けてからっ……。
「やっぱり、そう何度も上手くいかないかぁ!!」
ホーンラビットは上手く着地して、さらに勢いを増したまま突撃してきました。それを、なんとか旗槍を弾き返します。
うん、今のでホーンラビットのHPも一割ほど下がりましたね!!この感じで、カウンター気味にアクティブスキルを合わせられれば、倒せそうな気がします!!
そして、三度向かい合う私とホーンラビット。
ジリジリと時間が流れていく中、ついにホーンラビットが動きました!!
迷わず、真っ直ぐに私の顔めがけて飛んでくるホーンラビット……だいぶ力を溜めていたのか、そのスピードは今までで1番の速さです。でも、私もそれを待っていたのですよ!!
「いけ、〈一閃〉!!」
私が迎撃として放った最速の突きが、ホーンラビットを真っ正面から捕らえて…いない!!
ホーンラビットが急速に失速して地面へと向かっていきます。そんな…完璧にタイミングを合わせたはずなのに!!まさか……この本気と見えた一撃がフェイントだったなんて!!
このままでは、もう一度お腹に攻撃されると慌てたところで、ホーンラビットが地面に墜落しました。
なんでしょうね、私とホーンラビットの間に冷たい風がフュルリと吹いたような……。
……だって、着地って感じじゃなくてお腹から地面にビタンと打ち付けられる感じで落ちたんですよ?
よく見てみると、ホーンラビットの脚には地面から伸びている蔦が………。そして、ホーンラビットの背後の位置に、飛び跳ねているネーラの姿が。
……コレはアレですね、私が囮でネーラがホーンラビットに罠を仕掛けた感じになってます。
なんとなく釈然としないモノがありますが、これもお互いが勝負に全力を掛けた証拠です。真剣勝負に水を差された気がするのは、ネーラに対して失礼でしょう。…気にしてなんかいないんですからね!!
アクティブスキルの硬直が抜けたので、ホーンラビットに向かって攻撃していきましょう。時折、ホーンラビットの脚に絡まった蔦からネーラに向かって緑色の光がフヨフヨ飛んでいるのは、ネーラの攻撃ですかね、エナジードレイン的な?
ジワジワとHPを減らされていく中、ネーラの拘束はより強固なモノへと変わっていきました。哀れホーンラビットは蔦に前脚と後ろ脚に絡みつかれて行動不能に……。
うん、早めに止め刺してあげるのも慈悲ですよね!!
というわけで……
「今度こそ、〈一閃〉!!」
私の放った一突きは、過たずにホーンラビットの身体へと突き刺さりました。そして、輝く粒子になって散っていくホーンラビット。ああ、我がライバルよ、次こそは尋常なる勝負を!!
さてさて、よく分からない感傷は置いておいて、ネーラへの労いとドロップの確認を致しましょう!!
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