第19話 草原を突き進もう

マリーサさんのお店から出ると、既に朝日が燦々と輝いていました。

あれ~、私が死に戻りしたのが夜になり始めの頃だったので、もう少し朝まで時間があるかと思っていたのですが……。

実は、【錬金術】を行っている間に本当は3時間以上過ぎてたとか……。

まぁ、考えても仕方ありませんよね、棚上げしましょう!!丁度、時間帯が変わったので、東の草原エリアのモブも入れ替わっている……はず。

それでは、今日こそモフモフのウサギさんとご対面を果たすのです!!


さてさて、昨夜苦い敗戦を喫しました東の草原エリアに到着です!!

周りにも、昨夜とは打って変わってプレイヤーさん達が溢れてますね~。寧ろ人が居すぎて、モブの取り合いが発生してます。

あの中に、割り込んでいく勇気はちょっと……。

「ねぇねぇ君さぁ、ソロっしょ?」

「俺達人の居ない狩り場知ってっからさ、俺達と一緒に行こうぜ~」

門のすぐそばでまごついていたら、知らない男性プレイヤーに声を掛けられてしまいました。

ああ、よく居るアレなプレイヤーさん達ですね。

こういう手合いは、無視一択です!!

「おいおい、シカトかな~?あ、恥ずかしくて声も出せませんってか?マジウケル~」

「ラグってんのか?せっかく声かけてやってんだから、返事ぐらいしろよ、おい!?」

うん、下手に返事すると確実に悪化するタイプの輩です。

というか、周りのプレイヤーさん達も助けて下さい!!

そうこうしているうちに、二人組の片割れが手を伸ばしてきました。

触った瞬間、GMコール掛けてやる!!

そう決意を漲らせていたのですが、私に触れる直前二人組の動きが停止しました。

文字通り、突然ビタッと!!

唖然としていると、目の前にボサボサの白髪、ヨレヨレの白衣、そして片目だけルーペ装備といういかにもマッドサイエンティストという風貌の男が現れました!!

ビクビクしていると、その男性が二人組を消した後(!!!!)、此方を向き直り話しかけてきたんです!!

「ったく、羽目外しやがって余計な手前かけさせんじゃねぇよ。………失礼しました、アリア様でよろしいでしょうか?」

「は、はい。」

今絶対、ボソボソ独り言でなんか言ってました!!

そして、服装と言葉遣いのギャップがヒドすぎる!!

「この度は、対応が遅くなり申し訳ありません。被害は、執拗な勧誘によるハラスメント行為ということでよろしいでしょうか?」

「はい、そうです。」

「畏まりました。今回の行為により、対象二名は現実時間で3日間のアカウント停止措置となります。また、報復行為の防止のため彼らとアリア様両者が、互いを認識できないように措置致します。ご了承下さい。」

「あ、はい。分かりました!!」

「この度は、本当に申し訳ありませんでした。それではアリア様、良き冒険を。」

そうして一礼し、マッドサイエンティストさん……長いですね、マッドさんで行きましょう。マッドさんは、消えていきました。

もしかしなくても、彼がGMなんでしょうね~。

でも、あのくたびれようは似たような事例が多発してるんでしょうね……。

よし、切り替えて行きましょう。

出発にケチのついた憂さ晴らしもかねて、東の草原エリアに進軍です!!

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