第16話 再び冒険に出かけよう

マリーサさんの講義が終わって数時間、私は【錬金術】に熱中していました。

いや~、こう自由に好きな物を組み合わせて、新しい物を作るって、本当に楽しいですよね!!

おかげさまで、あれから新しいレシピが幾つか登録されました。

一部を紹介しますと…


name 純水

recipe 水×水×水

生活水から不要な成分を抜いた純粋な水。

成分を溶かすベースとして用いられる。


name 中和剤

recipe 純水×薬草×毒草

一定量の薬剤成分を含んだ液体。

様々な利用法がある。


name 大きな毛皮

recipe 毛皮×毛皮×毛皮

より大きくなった毛皮。

元のサイズに比べて、利用法が格段に広がった。


と、こんな感じですね。

純水と中和剤は〈錬成〉で、大きな毛皮は〈変換〉で入手できました!!

まぁ、それ以外だと最初の失敗みたいに、謎物質ができたりして大変だったのですが………。

1番ヒドかったのは、これですね……。


name 暗黒物質・毒

recipe スライムの核×毒草×爆裂華

毒を含んだ粘液質の物質。

発生から10秒後に破裂する。

取り扱い注意!!


これは、本当に焦りました。

だって【鑑定】してる間にも、どんどん膨張していくんですよ!!

破裂する前に、何とかインベントリに押し込みましたけど、次取り出す時に爆発しそうで怖すぎます。

……せめて、毒に対応できるようになってから取り出しましょう。それまでは、黒歴史として封印します!!

そして、1番の成功例が此方です!!


name ???

recipe トパーズの欠片×魔召石×狼の牙

???。


レシピが登録されましたし、作成後には魔法陣に何やら輝く宝石みたいなモノができていました。

失敗の場合は、組合せが悪ければ爆発、スキルレベルが足りなければ、素材が消えてゴミができるだけです。

そして、今回のコレは成功なのですが、【鑑定】のレベルが低いのか、名前も説明文も表示されませんでした。

でも、コレを【召喚術】で使ったら、絶対何か起きそうな気がするのですよ!!

と言うわけで、今回はこれぐらいにして終わりましょう!!粗方、マリーサさんが置いていってくれた素材を使い尽くしてしまいましたし…。

それに、さっきから鳴っているアラームが、何かやらかしてしまった雰囲気を醸しているのですが……。

………、あ、時間だいぶオーバーしてしまってる!!

あわわ、え、延長料金が……。

とりあえず、急いで此処を出ましょう!!

ところで、このマリーサさんから渡された魔法陣、どうすれば良いのでしょうか?

う~ん、悩んでても仕方ないので、受付のお姉さんにマリーサさんのお店を聞いて、返しに行きましょうか。


荷物をまとめて(といっても、インベントリに押し込んだだけですが)、早速受付に戻ります。

作業部屋の扉を開けて、いざ行かん……。

………あ、来たときの道、覚えてないや。

私は、扉の前に崩れ落ちたました。

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