第9話 初戦闘に勝利しよう

〈鼓舞〉

旗槍術のアクティブスキル。周囲の味方のAtkとEndを微増する。この効果は、他の効果に累積する。


〈勇気の旗印〉

旗槍術のアクティブスキル。周囲の味方と自身に全ステータス微上昇と精神異常耐性を付与。この効果は、他の効果に累積する。


とりあえずは、私とネーラのステータスをあげておきます。

旗槍の師匠であるバリドさん曰く、私たちのクラスであるFlagerは、前衛型支援職なのだとか。その特性故に他の前衛職に比べると低火力で弱装甲。それだけなら、まぁ、なんとかなる(らしい)が、さらに困るのが支援職としての機能なのです。なんと、私たちのバフスキルは先陣に立つことで、やっと効果が出るという壊れ物……。

弱装甲なのに被弾率の高い先陣に居なければ、私たちは役立たずなのですよ……。

その分、バフやデバフの効力は高いらしいのですが、それもスキルレベルが上がってからという、初心者にはツラいクラスなのです、はい。

というわけで、頭を切り換えて戦闘に集中です。

「ギチチチチ……」

いつの間にか、ネーラの伸ばした蔦でビッグアントが拘束されていて、向かってくるのはスケルトンが2体だけ。

これなら、私にもなんとかなりますね。

「ネーラ、そのままアリの足止めお願いね!!」

横並びのまま、腕を振り上げて襲いかかってくるスケルトンに向かって飛び出します。何だか、一段と旗の輝きが増したような気が。

そのままの流れで……

「〈薙ぎ払い〉!!」

2体に丁度足払いを掛ける感じで、旗槍を振るいました。

そのままのスケルトンが、ダルマ落としの要領でストーンと……。

んん、イメージだとこう、横倒しになる感じで倒れると思ってたんですが…。

良く見てみると、スケルトンの脛の骨と思わしき部位が無くなっているような?

とりあえず【鑑定】を掛けてみましょう。


種族 スケルトン×2

状態 部位欠損 脚


「…カタカタカタ」

歩けなくなったスケルトンが、這って迫ってきました!!

歯を打ち鳴らしながら迫ってくるのは、さっきより怖い気が……。

でもダイジョーブ!!

両手使って這っていると言うことは、今は攻撃手段が無いはず。このまま押し切ります!!

「〈一閃〉から〈二段突き〉!!」

最初の一撃で、右側のスケルトンの頭蓋骨を砕いて、その次の一撃で左側のスケルトンの両眼を撃ち抜きました。

その瞬間、2体が光になって消えていきました。

「ふぅ~、私の…勝ちです!!」

そう思ったら、肩から力が抜けました。

「キュ、キュワ!!」

「ギチ、ギチチチチ!!」

勝利の雄叫びとは違う、切羽詰まった声がネーラから聞こえてきました!!

「ネーラ!!」

「キュワ、キュワワー!!」

慌ててネーラの方を確認しますが、ネーラ自身は無事のようですね。それにしても、何やらネーラが慌てていますが、そんな姿も可愛いですね!!

ハッ、こんな事は今考える事じゃ無いんです!!

今は戦闘中で……。


振り返ると、大きなハサミが私の首を……。

そこで私の視界がブラックアウトしてしまいました。

これは…やられてしまいましたね~。



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