第7話 黄昏時を冒険しよう1

ギルドを出発して、やって参りました東門。

だいぶチュートリアルに時間を喰われたらしく、今は夕暮れ時です。もうすぐ日も落ちるのかな?

始まりの街の東エリアは草原で、出てくるモンスターも初心者向けの弱モンスターなんだとか(byイリスさん)!!

確かに、周囲には私と同じ様な装いのプレイヤーさんが沢山いらっしゃいます。門の所に固まっていらっしゃるのはパーティーで、口々に何か叫んでらっしゃるのは、野良パーティー募集の皆さんですね!!

……私は、もちろん、ソロですよ!!

ほら、初めて会う人と冒険とか、人見知りの私にはハードルが高すぎるじゃないですか~!!

……これを言ってる限り、下手するとずっとソロプレイなんじゃないだろうか……。

そして、私の目標である薬草は、草原の至る所に自生しているそうなんです!!頑張って探しますよ~。

と、その前に……。

「バリドさんに言われてた、旗の印決めないと!!」

装備欄から初心者の旗槍を選んでと……。

これかな、違うコッチか!!

「終わったぁ~。」

どうにかこうにか、旗印の設定が完了しました!!

私の絵心はビミョーなので、設定してある図形を組み合わせてできたマークです。

中央に盾と交差する剣、その両脇に包み込む形をした翼、その周囲を囲む形で大きな輪をつけてみました!!

ちなみに、このマークは私が装備を換えても受け継がれていくそうです!!

『旗槍に象徴が示されました。〈日輪と天翼旗章〉が示されました。旗槍に属性が付与されます。』

……ふえ?

何か色々な事が、急に決まったみたいなんですけど!!

急いで、初心者の旗槍を調べてみます。


装備

武器 初心者の旗槍

Atk 10 End 5

〈日輪と天翼旗章〉により、聖属性付与。


……これは、何となくマズい気が………。

開始直後と言っても過言では無いこの状況下で、早くも属性武器とか……、ち、チートとか言われたらどうしよう。

し、仕様だもんね、チートじゃない、チートじゃない、チートじゃない……。

十回程唱えてたら、落ち着いてきました!!

若干、頭を抱えて独り言言い出した私に対する視線がイタいですが、気にしないことにします!!

………あ、目が合った、コッチミンナ!!

フシャーと威嚇しているつもりでいたら、目を逸らしてくれました!!……私の勝ちです!!

まぁ、しばらくソロなので、バレるのはだいぶ先でしょう。きっと、その時には属性武器とか沢山できている…はず……かもしれない………だと良いなぁ。

気を取り直して、門の外に行きましょう!!


「アレレェ……聞いてた話と違うよぅ………」

まだ日は落ちていませんが、より薄暗くなってきた草原です。

薬草採取は、スキル〈鑑定〉のお陰で結構楽に済みました!!……使い始めは、鑑定結果が草、土、木だったのには脱力しましたが。

それもレベルアップで、草が雑草と薬草に、土が砂や小石、粘土といった具合に、木は…まだ木のままですね。

とりあえず、薬草を30束入手できたので切り上げたのですが……、ふと気付けば周りにプレイヤーさんがいらっしゃいません。

そして、〈鑑定〉で周りを見渡して見ると……あらら、赤マーカーがたくさん………。

これは…少しマズったかもしれません……。

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