「グギャァァァァァー‼︎」

トカゲが、鋭い爪のならぶ、血まみれの前足を振り上げ、赤ずきんに抱かれ、身動きの取れないエルダーに狙いを定める。

状況だけを見れば、後ろへ逃げようとするエルダーの背後に赤ずきんが立ち、両肩に手を置くことで逃げられないようにしているようだ。

つまり、エルダーもまた、チョーのように赤ずきんにトカゲのエサにされようとしているのか、

「しまっ……」

エルダーが何もできずにいるうちに、トカゲは前足を振り下ろし、

――スパッ‼︎

と、空を切った。

「……何が……」

エルダーは、今、赤ずきんに抱え込まれるような形でしゃがみ、トカゲの爪をかわしていた。

「……安心して、幼女さん、あなたは私が守るから‼︎」

その言葉通り、トカゲからエルダーを守るように、エルダーを抱え込み、トカゲに背を向ける赤ずきん。

その赤ずきんは、トカゲの攻撃が頭をかすったのか、トレードマークの赤ずきんが無くなり、今まで隠れていた綺麗な長い金髪が風になびいていた。

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