あっ、
――バシィ‼︎
「あっ……」
赤ずきんの背後から全力で突撃し、何のためらいもなく首を斬りとばす気で思いっきり剣を振り抜いたシャール、
……だったが、
赤ずきんの前で人を食って暴れていた大トカゲ、
その尻尾の先が、タイミングよく横へ振られ、全く警戒していなかったシャールの胴にクリーンヒット、その体は勢いよく吹っ飛ばされる。
「あ、あ〜れ〜……⁇⁉︎」
訳がわからないシャールが、アホみたいな顔して飛んでいく。
予想される落下地点はなんと大穴。
それも淵からかなり離れたところまでいきそうだ。
このままでは、何の抵抗もなくストンと穴に落下していくことになる。
「……………」
一連の流れを見ていたエルダーだが、あまりに綺麗に決まり、何が起きたか理解できず、ボー然と固まっている。
「グギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァー‼︎」
オオトカゲだけが、勝ち誇ったかのような雄叫びをあげていた。
一方赤ずきんは……
いつの間に移動したのか、トカゲの尻尾に巻き込まれることもなく、完全にトカゲの攻撃範囲から外れた場所に立っていた。
相変わらず、エルダーには背を向けた状態で、
その左手には、血だらけのノコギリを持っている。
が、
右腕は、横に突き出す形にして、手で何か、サインみたいなのを出している。
見ようによっては、”グッドラック”と受け取れる、その親指は、やがて下を向き、意味をガラリとかえる。
すると、
「グシャァ‼︎」
オオトカゲの腹が裂け、真っ赤な血液が、あたりにぶちまけられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます