第11話

1/9、土曜日。

午前中、4時間ある授業中、私はずっとそわそわしていた。まあ、前にいる依莉の方がおかしくって、授業中にいきなり何か書き始めたり、ぶつぶつつぶやいたり、しまいには揺れ出したりしていた。この子大丈夫かな…


キーンコーンカーンコーン

ガタッ!

前の席の椅子が勢いよく動く。私もパッと立ち上がった。

これで4限の授業は全て終わり。ちゃちゃっと帰る準備をして終礼を耐えて…

「礼」

「「さようなら」」

ガタガタッ

机を下げたら…

「三笠っ行くよっ」

「うん!依莉!E組よるでしょ?」

「いや、靴箱で待ち合わせしてるっ」

「おっけー!」

2人でコートを引っ掛けて階段を駆け下りる。普段は廊下を走らない、なんて真面目に守ったりなんかしてるけど、今日ばかりはそんなことも言ってられない。

タタタタッ

靴箱に着くと、環ちゃんはもういた。

「2人とも遅い!」

「ごめん…終礼が……」

「早く行くよっ」

コクッ

軽く頷いて私たちは急いで駅に向かった。

待ち合わせは、レストラン。お昼を食べながら話をして、そのあと公民館的なところに移動する予定だそう。

さあ、私たちがどこまで出来るか見ようじゃないの。

校門を出るとき、依莉が昨日決めた掛け声をかけた。ちょっと恥ずかしいけど、これを心に刻んで頑張ろっ!!


「目指せ!」

「「「全国!」」」

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