その027「友達3」


「姉ちゃん姉ちゃんっ!」

 今日も今日とて、僕は姉ちゃんのことを呼ぶ。

「なんだか、仲間が増えて嬉しさを強調するわんこみたいに呼んでくる辺り、嫌な予感がするわね……」

「また新しく友達できたっ!」

「やっぱりかっ!? ……宇宙人、ヒグマと来て、今度はどんなお友達が?」

「やだなー、みんな普通のお友達だよ?」

「どの口が言うのやら……」

 何のかんの言いつつ、姉ちゃんはしっかり僕のスマホの写真を見る。

「ん? 普通の男の子? しかも、結構カッコいいわね。将来が楽しみだわ」

「女の子だよ」

「え、女の子?」

「女の子大好きだから、男装女子目指してるんだって」

「そ、その歳から? 大丈夫なの?」

「あと、姉ちゃんのこと知ってて、目を付けてるんだって」

「え……だ、ダメよ。いくら男の子みたいにしてるからって、私、そっちの気はないんだから」

「男装の素質があるからだって。体型的な意味で」

「ノーサンキューな素質よ!?」

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