その017「友達2」


「姉ちゃん姉ちゃんっ!」

 今日も今日とて、僕は姉ちゃんのことを呼ぶ。

「なーに? なんだか、逆境でも余裕を見せる野良わんこみたいね」

「また友達できたっ!」

「……今度は、どんな?」

 ん? なんで姉ちゃん、反応が微妙なんだ? まあいいや。

「こいつだぞっ!」

「……なんで私の弟は、スマホの画面の中で、ヒグマと相棒映画のように爽やかに肩を組んでいるのかな?」

「え、案外分かりあえるものだよ? 身振り手振りで」

「身振り手振りって何っ!? そんなことがあってしまうの!?」

「今度、姉ちゃんとも分かり合いたいって言ってたよ。拳で」

「ノーサンキューというか、なんでそんな危ない方向なの!? せめて身振り手振りにして!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る