その012「田んぼ」
「姉ちゃん姉ちゃんっ!」
今日も今日とて僕は姉ちゃんのことを呼ぶ。
「なーに。なんだか、珍しいものを見て飼い主に伝えたがるわんこみたいね」
「今日、体育の授業で校外のマラソンがあって、いつもの田んぼが見えるコースを走ったんだけど、その田んぼが、大きな円とか変な文字とか寝ている牛のイラストみたいな模様になってたんだ」
「……見なかったことにしようか」
「で、聞いた話、この前の休みに、僕の友達が田んぼを手伝ったんだって」
「やっぱりかっ!? なんで宇宙の人が田植えなんてしちゃってるのよ!?」
「稲刈りも手伝うって言ってたよ。あと、お米が出来たら分けてくれるって」
「嫌な予感しかしないんだけどっ!?」
「ちゃんと焼き肉味に仕上げるって言ってたよ?」
「そんな牛っぽくて、胡椒にも醤油にも合いそうな米、めちゃくちゃ嫌よ!?」
「ご飯が欲しくなるね」
「普通に米を作りなさいよっ!?」
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