その003「夢」
「姉ちゃん姉ちゃんっ!」
今日も今日とて僕は姉ちゃんのことを呼ぶ。
「なによ、まるで己の生き様を自慢したがるわんこみたいね」
「今朝、姉ちゃんが僕に慣れない色仕掛けで迫ってきた夢を見た!」
「あなたどんな夢を見てるのよ!? しかも、慣れないってあたり、半分リアルすぎる!?」
姉ちゃん、真っ赤なんだか真っ青なんだかわからない顔をしてるぞ。
「で、夢の中で、『姉弟だからこその愛の形ってあるじゃない?』って諭したんだけど、この僕の渋さは姉ちゃん的にどうよっ!?」
「死刑よ?」
「おおっ、姉ちゃんすごく爽やかな即答だなっ!」
「うるさいわよ!」
「じゃあ、現実の姉ちゃんなら、どんな色仕掛けをするんだ?」
「うぐっ……ええと……よくわからないけど、例えば、このような……って、なんであらかじめスマホ構えてんの!?」
「え、今度友達に紹介するときに見せようかなって」
「消せっ! スマホからも、おまえの頭からもきれいさっぱり消せぇっ!」
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