その002「貸出品」


「姉ちゃん姉ちゃんっ!」

「なによ。そんな、散歩の時間を訴えるわんこみたいに」

 今日も今日とて僕は姉ちゃんのことを呼ぶが、姉ちゃんちょっと忙しそう。

「今ちょっと文化祭の貸出品のリスト入力で忙しいの。後にしてくれないかしら」

「へー、貸出品入力かー。貧乳を貸し出す力じゃ、姉ちゃん負けないもんなー。まさに、貸出貧乳力!」

「やかましいわっ!?」

 速攻で張り倒されてしまったぞ……。

「と言うか、貧乳を貸し出すって何なのよ……?」

「え? 借りた人はみんなAAカップになる」

「なにその不幸な貸出品!? ……でも、逆に貸した方は、それでサイズが大きくなったりするのかしら?」

「で、姉ちゃんはAAからAAAカップになる!」

「そんなカップあってたまるか!? 結局悲しいだけでしょ!?」

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